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(ほろほろ鳥)6月の編集後記

いま絵本新人賞の選考が佳境を迎えていますが、新人賞に応募されるメリットは、賞を取ることだけではありません。今月刊行した『ルッキオとフリフリ 大きなスイカ』は、選からもれましたが、読んだ者に強いインパクトを与える作品でした。それがご縁となって担当者との長い「熟成期間」を経て満を持しての刊行となりました。ぜひ、本屋さんで手に取って見て頂ければ、このふしぎなインパクトを共有していただけると思います。さて、長らくご愛読いただいている『講談社 絵本通信』ですが、この形での更新は、これが最後。スマホからも見やすく、SNSやツィッターなどとも連動して大幅に、リニューアルします。今よりもっと、こまめに情報発信できるようになります。またリニューアルを記念してプレゼント企画もありますので、ぜひぜひチェックをよろしく御願いします。(ほろほろ鳥)

 
次回は2014年7月31日更新予定です。
 
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第32回講談社絵本新人賞受賞作『ぼくと おおはしくん』刊行記念 デビュー日記連載中!
生きているのがつらいと思っているきみへのメッセージ

イラスト/高島尚子

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『でんせつの いきものを さがせ! ネッシー・ツチノコ・カッパはどこだ?』
講談社の創作絵本
『でんせつの いきものを さがせ! ネッシー・ツチノコ・カッパはどこだ?』
◆田中六大/作
◆対象年齢:3歳から
遊び/伝説/生き物/さがしもの絵本

内容紹介
世界中の謎の生き物を探そう!
ネッシー、ツチノコ、チュパカブラ、ユニコーン、ドラゴン……。世界中で噂される未確認生物や伝説の生き物が、全部で100種! 世にもふしぎなさがしもの絵本。
作者からのメッセージ
・作/田中六大さんからのメッセージ

「UMAとか伝説の生き物大好きなんでスカイフィッシュ。ひひひ。」
唐突に編集者Tが言いました。気持ち良く晴れた春の日でした。
「それだったら、UMA(未確認生物)を探せ! みたいな絵本ができたらいいですね!」と、ぼくもさわやかに言いました。そんな絵本ができたら確かに楽しいでしょう。数日後、編集者Tから電話が来ました。
「あ。六大さん。ひひひ。あれ、あの企画、通りましタッツェルヴルム。」
「あれってなんでしたっけ?」さわやかに訊くぼく。
「伝説の生き物を探せ! ですよ。がんばりましょウェンディゴ。ひひひ。」
「はい! がんばります!」
ぼくはさわやかに答えました。初めての自作絵本です。しかもぼくはごちゃごちゃ細かく描くのが好きなので、これは楽しい仕事になるだろう。そんな予感がしました。しかし細かい絵だけあって実際に描いていくのはなかなか大変でした。
徹夜になることも、一度や二度ではなく、夜中、「チュパカブラ…」などとつぶやきながら台所でコーヒーを淹れていると、ふと、窓の外の茂みにフラットウッズモンスターのオレンジ色の目を見たような気がしました。(まさか…な…)
「六大さん、調子はどうですカエル男? ひひひ。」
「も…モーゴウル…じゃなかった…もうすこしでできそうです。」
ぼくの充血した目の前をケサランパサランがふわふわと飛んでいました。
数か月後、すべての絵を描き終え、ぼくと編集者Tは都内の喫茶店で出来上がった見本を眺めていました。
「ひひひ。やっと終わりましたネッシー。」編集者Tはほっとした様子で言いました。
「お疲れさマンモス!」ぼくも言ってみました。
「むきー! マンモスはUMAじゃなインカニヤンバ!」
編集者Tは怒りながら床をごろごろと転がり、そのままどこかに行ってしまいました。あとには、茫然とした僕と、絵本の見本だけが残りました。
この絵本ができたのはUMA大好き編集者Tさんの情熱のおかげです。ぼくはごちゃごちゃいろいろ描いてあって眺めるたびに発見があるような絵が好きなので、描くのは大変でしたが、楽しく描けました。変なものも好きなので、変なものとか可笑しいものをいろんなところにたくさんちりばめることができて、うれしかったです。とにかくずっと楽しめるように描いたので、全部を探そうとすれば、かなり長いあいだ楽しめるんじゃないかと思います。
著者紹介
田中六大(たなか ろくだい)
1980年、東京都生まれ。多摩美術大学大学院修了。漫画家・イラストレーター。漫画に『クッキー缶の街めぐり』(青林工藝舎)、挿画に『ひらけ!なんきんまめ』(作・竹下文子/小峰書店)、「日曜日」シリーズ(作・村上しいこ/講談社)、『4月のおはなし ドキドキ新学期』(作・はやみねかおる/講談社)、絵本に『だいくのたこ8さん』(作・内田麟太郎/くもん出版)、『ねこやのみいちゃん』(作・竹下文子/アリス館)、『しょうがっこうへ いこう』(作・斉藤洋/講談社)、『おすしですし!』(作・林木林/あかね書房)など。本作が、絵本では初めてのオリジナル作品。ちなみに、少しカッパに似ている。
担当者のうちあけ話
「ネッシー」がついに発見されました! って、絵本の中の話なんですけどね。「ネッシー」、「ツチノコ」、「チュパカブラ」、「ビッグフット」、「イエティ」……。どこかで聞いたことがある方も多いと思いますが、俗に言うUMA(未確認生物)のことです。私は、この手の話が大好きで、どうにか絵本にできたらいいなあ、とずっと思っていたのですが、このたびついに刊行することができました。(弓引き童子)この謎だらけの企画を、快く引き受けて下さった田中六大さんが描く不思議な生き物は、かわいくて愛嬌のあるやつばかり。また、生き物以外にも、見ると思わず笑っちゃうようなキャラクターが、ところせましと描かれていて、見ごたえ抜群。何回だって楽しめちゃう絵本であることをお約束いたします。いるかいないかわからない、謎の生き物を見つけるさがしもの絵本……。思わず見たくなりませんか?(弓引き童子)
関連図書
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『ハラヘッターとチョコリーナ』
講談社の創作絵本
『ハラヘッターとチョコリーナ』
◆のぶみ/作
◆対象年齢:2歳から
遊び

内容紹介
おいかけて、おいかけて!
ハラヘッターは世界一おいしいチョコリーナが食べたい! がんばってチョコリーナを追いかけて、何度も痛い目に遭うハラヘッター。壮大な追いかけっこの結末は!?
作者からのメッセージ
・作/のぶみさんからのメッセージ

追いかけっこの絵本にしようと思ったのは、僕の子どもの頃にルーニーチューンズという番組の中で、ワイリーコヨーテと、ロードランナーの、追いかけっこを毎朝みて、大好きだったからです。だけど、絵本はアニメと違って、全然、うまくいきません。何回もラフを描いて、これがベスト!ってのを自分なりに発明しました。
最後にチョコリーナは、自分を食べようとする、ハラヘッターを愛そうとします。ふだん、自分にとって都合の悪い人が、悪い人って、言いがちだけど、それってどうなんだろう。ハラヘッターとチョコリーナは、単純明快で面白い。そして、それだけじゃない、光と、愛も、込めています。みんなに届きますように。
著者紹介
のぶみ
1978年、東京都生まれ。「ぼく、仮面ライダーになる!」シリーズ(講談社)や、「しんかんくん」シリーズ(あかね書房)をはじめ、多くの作品を発表。また、NHK「おかあさんといっしょ」で、「ブラブラせいじん」ほか、歌の歌詞やイラストを担当。NHK「みいつけた!」では、「おててえほん」のアニメーションを担当するなど、幅広く活躍している。絵本作品は130冊以上におよぶ。
ほかに、東日本大震災でのボランティア活動をもとに書いたエッセイ・コミック、『上を向いて歩こう!』(講談社)がある。
担当者のうちあけ話
のぶみさんが、いつもとちょっと違った面白さを持った絵本を描いてくれました。ハラヘッターは、(エ)ハラヘッターという生き物で、チョコリーナは、チョコリーナという生き物です。多分チョコ味。しかも、クリームたっぷり。そりゃ、おいかけずにはいられない。
おいかけっこしているふたり(?)ですが、どちらも何だか憎めない。そして、きっと仲良し。読みきかせでも、ひとり読みでも、何度でも開きたくなるような、とっても楽しめる絵本です。(エ)
関連図書
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『いもほり コロッケ』
講談社の創作絵本
『いもほり コロッケ』
◆おだしんいちろう/作
◆こばようこ/絵
◆読み聞かせ:3歳から ひとり読み:6歳から
食べ物/遠足/友だち/生活/お手伝い

内容紹介
行事と食べもののよみきかせ絵本第2弾!
ほって、あらって、ゆでて、つぶして……。土から出てきたじゃがいもが、ジャンボコロッケに大変身! さくさく、もぐもぐ、楽しくておいしい元気な一日。
作者からのメッセージ
・文/おだしんいちろうさんからのメッセージ

コロッケをどうやって作るのか正直ぼくは知らなかったので、実際にうちの子どもたち3人と作りました。じゃがいもの洗いかたもわからないので、「せっけんであらうの?」と言っています。よしよし、メモメモ。たまねぎを切るときはどうしたら涙が出ないのか。これはぼくが実験。などなどレポートは進み、さて試食。というよりその日の夕飯のおかずでしたが……。子どもたちはどんな台詞を提供してくれるのか。これは意外な結果でした。
おいしいものを食べるときの気持ちが表現できていればうれしいです。裏表紙の絵日記も実験レポートのたまものです。絵本を読んだあとに「コロッケ食べたーい」と言ってもらえれば幸せです。なお「コロッケつくりたーい」と言われて大変な目にあいましたら、あしからず……。

・絵/こばようこさんからのメッセージ

食べ物のお話だから絶対美味しそうに描けなきゃダメなのです。このお話はジャガイモを掘るところから始まるので、ジャガイモ掘りも格好良く、「ぼく・わたしも掘りたーい」と思ってもらわないとダメなのです。
いやはやできあがって良かった良かった。
ところで、手作りコロッケは美味しいですね。
「あまり揚げ物は……片付けが面倒だし」と思っている方、わかります。同じく私も思っています。でも描いてる最中、なんだか無性に食べたくなってきました。
揚げたては、さくさくほくほく本当に美味しいです。片付けなんか気にならない。さくさくほくほくの為なら、どんな困難にも立ち向かっていけそう。な、くらいでした。
著者紹介
おだ しんいちろう
1970年愛知県生まれ。2000年頃より、妻のこばようこ氏とともに絵本をつくりはじめる。第4回ピンポイント絵本コンペで最優秀賞を受賞。作品に、『タイムカプセル』『トイレたんけんたい』(フレーベル館)、『おうじょマーガリンとおばけのこ』(学研教育出版)、『いしっころ』(ひかりのくに)、『ぐらぐらスプーン』(BabyKumon)、『ゆきせんにんのひっこし』(教育画劇)などがある。幼児雑誌への寄稿・エッセイ執筆なども手がけている。八王子市在住。

こば ようこ
1972年東京都生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。夫のおだしんいちろう氏との共作で、第4回絵本コンペで最優秀賞を受賞。絵本や児童書など、幅広く活躍している。おだ氏との共作のほかに、『うみのどうぶつとしょかんせん』(作・菊池俊 教育画劇)、「星雲ミカの小さな冒険」シリーズ(作・斎藤慎一郎 晶文社)、『ふたつの名前で愛された犬』(作・平野敦子 学研パブリッシング)などの挿絵を手がけている。
担当者のうちあけ話
コロッケという食べ物は、からっと揚がったあの姿を思い浮かべるだけで、ぐんと食欲がわいてくるから不思議です。だからこそ私は、この『いもほりコロッケ』の本づくりの最中、原画をいただくまでは、「コロッケ断ち」をしようと決めました。文章を読んでは「ああコロッケが食べたい」、絵のラフを見ては「コロッケが食べたいよう」と切望する日々でした。つらい我慢ですが、初めてコロッケの絵を見た瞬間、よだれが出るほどコロッケがおいしそうと見えれば、この絵本は大成功なのではないか、そう思ったのです。
(り)晴れて原画をいただいた瞬間、私のコロッケ欲は最高潮にもりあがりました。その日は帰り道、最寄り駅でコロッケパンを買い、会社のデスクでもぐもぐ、むしゃむしゃとほおばりました。
表紙のコロッケをぜひごらんください。あつあつ、さくさく、絶品のおいしさです!(り)
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『きいのいえで』
講談社の創作絵本
『きいのいえで』
◆種村有希子/作
◆対象年齢:3歳から
家族/兄弟姉妹/生活

内容紹介
ねぇ。おかしたべてから いったら?
ある日、ふたごのきいが「家出する」って言い出した。お気に入りの物をどんどんリュックサックに詰めていく。どうしよう、本当にいなくなっちゃうの?
第34回講談社絵本新人賞受賞作
作者からのメッセージ
・作/種村有希子さんからのメッセージ

このお話は、子供の頃の思い出をもとに書きました。「家出する!」と言い出した双子の姉の眉間のしわと、「おかし食べてからいったら?」と言った自分の声を鮮明に思い出したのです。家出って、子供の頃きっと一度は考えたことがあるのではないでしょうか。きいちゃんの姿に今の自分、もしくは過去の自分を重ねて親子で楽しんでいただきたいです。そして、きいちゃんを引き止め見守る兄弟の様子にも注目してみてください。
著者紹介
種村有希子
1983年、北海道釧路市生まれ、多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。絵画や映像、インスタレーションなど、様々な表現方法で作品を手がける。2011年、第4回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト入選、2012年、第34回講談社絵本新人賞受賞。
担当者のうちあけ話
できました! 種村さんが、この作品を描いてから約1年。受賞から刊行まで、種村さんにとっては、もちろんすべてが初めての経験ですから、伴走していた私も、「絵本を作る」ということを一つ一つ、確認しながら進んでいった気がします。楽しかったです。デザインも、紙の手触りも、本としてのたたずまいも、とても良い一冊ができました。きいちゃんとうたちゃんのある1日の物語ですが、誰もが子どものころに感じていた、ゆっくりとした心地よい時間がそこに流れています。(エ)
関連図書
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『ハイジ』
講談社の翻訳絵本
『ハイジ』
◆ヨハンナ・シュピリ/作
◆マーヤ・デュシコーヴァ/絵
◆平野卿子/訳
◆読み聞かせ:5歳から ひとり読み:小学初級から
名作/自然/友情/成長

内容紹介
世界で愛されるハイジの絵本決定版!
やぎのミルク、干し草のベッド……、ハイジは、アルプスの山小屋でのおじいさんとのくらしが大好きになりました。ところが……。少女ハイジの成長物語。
作者からのメッセージ
・訳/平野卿子さんからのメッセージ

『ハイジ』というと、まずアニメを思い浮かべる方が多いことでしょう。でも、そのずっと以前から、『ハイジ』は日本中の少女達に愛されていました。私がフランクフルトという町の名を知ったのも、この物語がきっかけです。それ以来、私にとってフランクフルトは、ハイジとクララの町でした。フランクフルトが文豪ゲーテの出身地であること、作者シュピリが誰よりもゲーテを尊敬していたことを知ったのは、ずっと後になってからです。ゲーテに、『美しき魂の告白』という作品があります。「美しき魂」の持ち主とは、自分の思ったとおりにふるまいながらも、周りの人をみな幸せにしてしまう、そんな人のことです。シュピリはハイジを通して、この「美しき魂」を描こうとしたのではないでしょうか。物語の舞台のひとつにフランクフルトを選んだのも、決して偶然ではないような気がします。
著者紹介
ヨハンナ・シュピリ
1827年、スイス・チューリッヒ近郊の農村ヒルツェルに生まれる。44歳のとき、匿名で処女短編集を出版、以後作家活動に入る。なかでも「アルプスの少女ハイジ」の名で有名な「ハイジ」は、児童文学の古典として、世界中で愛されている。

マーヤ・デュシコーヴァ
スロバキア南部のピエシュチャニに生まれる。日本で翻訳された絵本に、『しずかなよる クリスマスのうた』(詩/ヨーゼフ・モーア 文/やまもとふみこ 女子パウロ会)、『クリスマスのぎんのすず』(文/ロルフ・クレンツァー 訳/佐々木田鶴子 ペンタン)がある。現在はイタリアのフィレンツェに在住。

平野卿子(ひらの きょうこ)
1945年、横浜に生まれる。翻訳家。お茶の水女子大学卒業後、ドイツのテュービンゲン大学に留学。『光の子がおりてきた』(金の星社)、『おはなしのくすり箱』(PHP研究所)、『思いがけない贈り物』『耳をすませば』(講談社)など、訳書多数。『キャプテン・ブルーベアの13と1/2の人生』(河出書房新社)で、2006年レッシング・ドイツ連邦共和国翻訳賞を受賞。
担当者のうちあけ話
打ち合わせのために、翻訳家・平野卿子さんのお宅にうかがったときのことです。ドイツに留学されていたご経験もある平野さんは、ドイツの風習やドイツ人の気質など、楽しく興味深いお話をたくさんしてくださいました。その日、お茶菓子に出してくださったのは、「アプフェルシュトウルーデル」。しっかりした生地にりんごがぎっしりつまっている、アップルパイです。そしてお土産にくださったのは、ドイツパン3種。薄切りにして頬張ると、口のなかで麦の味わいとほのかな酸味がちょうどよく広がります。
(り)ふと、ハイジはどんな気持ちで、おばあさんのために、白パンをかくしておいたのだろうと思いがよぎりました。山で初めて飲んだやぎのミルクは、どんなに格別な味だったのかとも想像します。
アニメで「ハイジ」の世界を楽しんだことがある方も多いことでしょう。この絵本で、ハイジの気持ちになって、もう一度、「ハイジ」に出会っていただければと願っています。(り)
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『あるひ ぼくは かみさまと』
講談社の翻訳絵本
『あるひ ぼくは かみさまと』
◆キティ・クローザー/作
◆ふしみみさを/訳
◆読み聞かせ:5歳から
友達/自然

内容紹介
「かみさま」とぼくの出会い
テオが出会った「かみさま」は、オムレツを知らないし、泳げないし、木に登れないし……。アストリッド・リンドグレーン記念文学賞受賞作家の絵本。
作者からのメッセージ
・訳/ふしみみさをさんからのメッセージ

この本の作者、キティ・クローザーは、ベルギーの村はずれにある丘の上の家に住んでいます。庭にはサクランボの大木があり、その向こうには草原と森が広がっています。ある日、キティは庭の隅に、奇妙な大柄の男の人と若者が、二人並んで座っているのを目にしました。それが本当の姿だったのか、幻だったのか、わたしにはわかりません。でもキティは、自分が見た二人をできるだけ忠実にノートに描き、それがこの本を作るきっかけになりました。
大胆で、陽気で、周りの人が驚いて振り返るほど大きな声で笑うキティは、同時に非常に繊細です。彼女の絵本にはしばしば、動物なのか、人なのか、虫なのかわからない、ついでに性別も年齢も不明の、不思議な生き物が登場します。文章もそれに似て、読み手がそれぞれ好きに受け取れるような、すべてを言い切らない部分があります。そんな絵と文が合わさって醸し出す世界は、北欧の緑深い森のよう。その雰囲気を壊さないよう、大事に訳しました。
「テオ」という名は、ギリシア語で神を表す「theos(テオス)」に由来し、キティの長男の愛称でもあります。この本が出版されたすぐ後、キティ・クローザーはこれまでの功績を称えられ、児童書界最大の賞のひとつであるリンドクレン賞を受賞しました。
著者紹介
キティ・クローザー(Kitty Crowther)
1970年、ベルギーのブリュッセル生まれ。スウェーデン人の母と英国人の父をもち、スカンジナビア圏と英語圏の児童文学に魅了されて育つ。耳が不自由だったため、小さいころから絵やサイン、合図、身振り、ものの裏にかくされた意味に惹きつけられていたという。ブリュッセルのサン・リュックインスティテュートでグラフィックアートを学び、1994年『Mon royaume』でデビュー。以来、多くの作品を刊行し、装画も手がける。2003年に『こわがりのかえるぼうや』(徳間書店)、2005年に『ちいさな死神くん』(講談社)が、オランダにて銀の絵筆賞をそれぞれ受賞。2006年には文化庁による児童文学賞のグランプリに輝く。2009年にはモントルイユのブックフェアにて、『Annie du lac』がバオバブ賞を受賞。2010年、これまでの作品と業績をたたえ、アストリッド・リンドグレーン記念文学賞を受賞。テオドールとエリアスというふたりの息子の母でもある。

ふしみ みさを
1970年、埼玉県生まれ。上智大学文学部フランス文学科卒。洋書絵本卸会社、ラジオ番組制作会社勤務を経て、英語・フランス語の翻訳家に。ユーモアたっぷりのとぼけた絵本を訳すのが好き。翻訳絵本に「せんをたどって」シリーズ(ローラ・ユンクヴィスト作 講談社)、『うんちっち』(ステファニー・ブレイク作 あすなろ書房)、『あかがいちばん』(キャシー・スティンスン作 ロビン・ベアード・ルイス絵 ほるぷ出版)、『どうぶつにふくをきせてはいけません』(ジュディ・バレット作 ロン・バレット絵 朔北社)、『えのはなし』(ポール・コックス作 青山出版社)、『トトシュとキンギョとまほうのじゅもん』(カタリーナ・ヴァルクス作 クレヨンハウス)、『トラのじゅうたんになりたかったトラ』(ジェラルド・ローズ作 岩波書店)、翻訳小説に「トビー・ロルネス」シリーズ(ティモテ・ド・フォンベル作 岩崎書店)などがある。
担当者のうちあけ話
(J)世界的に注目されている作家、キティ・クローザーさんの新しい絵本をお届けします。『ちいさな死神くん』では、新鮮な死神像を描いた作者が、こんどは“かみさま”を描きます。そして、その“かみさま”と出会った男の子が思うことは……。題字を描いてくださったのは、キティの知人でもある荒井良二さん。リンドグレーン賞の受賞者同士でもあるお二人、こんなコラボは日本版ならではです。ちなみに、この絵本はイタリアで印刷されています。発色の美しさも、あわせてお楽しみください! (J)
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