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(ほろほろ鳥)6月の編集後記

いま絵本新人賞の選考が佳境を迎えていますが、新人賞に応募されるメリットは、賞を取ることだけではありません。今月刊行した『ルッキオとフリフリ 大きなスイカ』は、選からもれましたが、読んだ者に強いインパクトを与える作品でした。それがご縁となって担当者との長い「熟成期間」を経て満を持しての刊行となりました。ぜひ、本屋さんで手に取って見て頂ければ、このふしぎなインパクトを共有していただけると思います。さて、長らくご愛読いただいている『講談社 絵本通信』ですが、この形での更新は、これが最後。スマホからも見やすく、SNSやツィッターなどとも連動して大幅に、リニューアルします。今よりもっと、こまめに情報発信できるようになります。またリニューアルを記念してプレゼント企画もありますので、ぜひぜひチェックをよろしく御願いします。(ほろほろ鳥)

 
次回は2014年7月31日更新予定です。
 
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第32回講談社絵本新人賞受賞作『ぼくと おおはしくん』刊行記念 デビュー日記連載中!
生きているのがつらいと思っているきみへのメッセージ

イラスト/高島尚子

第35回講談社絵本新人賞受賞加藤晶子の制作日記
第5回 「ことばのちから 茅ヶ崎自宅そして講談社にて」
2014年に入ってから、本格的に本描き(本番の紙に色を塗っていく作業)が始まりました。
「応募時ののびやかなタッチを表現してください!」という担当編集者(N)さんの言葉を胸に、応募時の画稿を脇に置き、自宅にこもってひたすら描く日々が続きました。

手帳に連なる「制作」「制作」と言う文字に、先日亡くなられた「まどみちお」さんが日記に綴っていた「絵をかいて いちんち」という言葉を思い出しました。この言葉をきいた時は、なんて幸せな一日だろう! と思ったものですが、そんな毎日を、私も今、過ごしているのだなあと感慨にふけりながら描いていました。

2月も終わりに近づくと、机に向かいすぎて歩けなくなるのではないかと思ったほど。ほぼ完成したところで、一度確認してもらうべく、講談社へ出向きました。
画稿を全てぐるりと並べて、一枚ずつ、テキストとてらしあわせながら確認していきます。
緊張の一瞬です。

ぐるりと並べた画稿


おおかた、(N)さんにも気に入っていただけましたが、私が悩んでいたところは言わずとも(N)さんにも見透かされていて、とくに前回の制作日記でもふれた遠景の山のシーンは納得がいかず、再挑戦してみることに。最終的には、全体として見ても効果的な1ページになったのではないかと思います!

そのほかの気になる箇所は、ほとんどが、主人公「てがみぼうや」の「表情」でした。
ほんのちょっと目や口の形が異なるだけで、自分が描きたかった表情と微妙にちがってしまうのです。このふたつの絵は目の形がちがうのですが、わかるでしょうか。
第33回講談社絵本新人賞受賞作 シールのかくれんぼ
ちょっと気の強い?「てがみぼうや」な印象。

これで納得のいく「てがみぼうや」になりました。

画稿チェックの後は、テキストの最終チェックに入ります。
もちろん、ラフ画の時点でも何度となく推敲してきたテキストですが、色がつくと断然、今まで以上に絵が語り始めます。

幾度なく推敲してきたテキストの束。

テキストに関しては、今までもずっとやってきた方法ですが、まずは(N)さんに声に出して読んでいただきます。その間、私は絵だけを見ます。その後、こんどは私が声を出して読みます。(N)さんには、絵を見ながらきいていただきます。

これをくりかえすことで、テキストが絵と違和感なくマッチしているか、また声に出すことで、読み心地がよいかがはっきりしてきます。

たとえば、
「てがみぼうやは ぼくじょうのおじさんに つまみあげられました。」
という文章と
「てがみぼうやの からだが ふわりと うきました。ぼくじょうの おじさんです。」
という文章では、印象が変わります。
実際の絵には、牧場のおじさんが「てがみぼうや」をつまみあげているシーンが描かれているので、少々乱暴な印象のある「つまみあげる」という言葉を使わなくても意味が伝わります。

絵で表現できることは絵で表現する。
ただし、つぎのような場合もあります。

「てがみぼうやは ふかふかの ほしくさのうえで おしりをかわかすことにしました。」
という文章でも、あたたかいほしくさの感じはでますが、
「てがみぼうやは おひさまを たくさんあびた ふかふかの ほしくさのうえで おしりをかわかすことにしました。」
と書いたほうが、より場面の暖かさが強調されるように感じます。

こんなにも絵本の印象をかえる「ことばのちから」は、とても大きいのです。
言葉選びは難しいけれど、ピタリと合う言葉が見つかったときは、本当に気持ちがよいです。

絵本の言葉は子どもたちが最初に出会う日本語なので、できるだけ美しく、正しい日本語を心がけていますが、それと同時に「読み心地の良いことば」「きき心地のよいことば」であることも、とても大切にしています。

この日は久しぶりに、作業後に(N)さんと私の好物のお蕎麦(!)を食しました。
絵本の完成もあと少し! 最後の追いこみに、好物のお蕎麦をぶら下げられて(?)、(N)さんにおしりをたたかれたのでした。(いえいえ、(N)さんに励まされました!)


■おまけのはなし 「てがみぼうや、ボローニャへ行くの巻」
本描き作業も佳境の2月半ば、(N)さんから「3月末に、イタリア・ボローニャで開かれるブックフェアに出張してきます。講談社から刊行されている絵本はもちろん、これから出る予定の『てがみぼうや』もつれていこうと思います!」との一報が入りました。

イタリア・ボローニャで毎年開かれている国際的なブックフェアは、世界中の出版社がブースを出して本の版権を売買する、いわば児童書の見本市です。同時開催される国際絵本原画展は、絵本作家の登竜門でもある公募展で、会場には受賞作品が展示されます。イラストレーターの交流のためのカフェも設けられており、世界中からイラストレーターが来場し、自分の作品の売りこみもできるのです。

ずっと行きたかったボローニャ! これはよいタイミングかも! と思い、思いきって、急遽、私も行くことにしました!
世界中の国旗がはためくブックフェア会場の入り口


ずっとあこがれていたブックフェアの会場入り口に立ったときは、なんだか涙がでそうでした。やはり何事も、やるべき(行くべき)タイミングってあるのですね。

会場では、(N)さんや絵本作家の「藤本ともひこ」さん(第13回講談社絵本新人賞受賞者)とも無事にお会いすることができました。異国の地でお会いするというのも、なかなかうれしいものです。

会場の中には、イラストレーターが自分のポスターや名刺を自由に貼ってよいボードがあるのですが、すでにたくさんの作品が貼られて、あいているスペースは下の方だけ。ちんまり形だけ貼ってきましたが、後からきいたところによると、みなさん、人のポスターの上からがんがん重ねて貼ってしまうそうです……。す、すごい……。
あわてて作っていったポスターと英語の名刺。
機内で食べたヨーグルトの外箱を名刺入れに代用。
案外かわいくおさまりました。


海外の出版社への売りこみは、撃沈、というよりも、どのブースの方たちも忙しそうで、ほとんど見ていただけず、ジェラートを食べたり、カプチーノを飲んだり、絵本を買いこんだり……、遊んでばかりいましたけど。

それでも、世界は広いなーと改めて実感し、刺激もたくさんいただいて、改めて「目指せ世界!」と思ったのでした。

今回の旅で、直前にもかかわらず、格安航空チケットを見つけてくださった旅行会社の方や、売りこみのために「てがみぼうやのゆくところ」以外の私の絵本を3冊も英訳してくれた友人、ボローニャの情報を細かく教えてくれた友人たちに本当に感謝です。

★次回はいよいよ最終回!「てがみぼうやのゆくところ」をお届けいたします。

加藤晶子(かとう あきこ)
東洋英和女学院大学卒業。死生学を学ぶ。
雑貨店の立ち上げ、ホテル再生事業、人事等を経て、現在ギャラリー&ショップに勤務。
セツ・モードセミナー卒業。パレットクラブ絵本コース卒業。絵本ワークショップ「あとさき塾」「チャブックス」に参加。2005年より個展等にて作品を発表。第7回逗子市手作り絵本コンクールにて「優秀賞」受賞。
http://www.atelier-mekuru.com/

バックナンバー
加藤晶子の制作日記 第1回 「てがみぼうやの気持ち」
加藤晶子の制作日記 第2回 「やぎ問題?!」
加藤晶子の制作日記 第3回 「届くことの奇跡」
加藤晶子の制作日記 第4回 「師走の強化トレーニング?! 講談社にて」
加藤晶子の制作日記 第5回 「ことばのちから 茅ヶ崎自宅そして講談社にて」
加藤晶子の制作日記 第6回 『てがみぼうやのゆくところ』

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