第36回講談社絵本新人賞受賞
石川基子の制作日記(第2回)

皆様、こんにちは。

制作日記(第1回)からまたたく間に1ヵ月は過ぎ、今日は第2回の締切日。
原画提出予定も間近というのに、相変わらずまだ1枚も完成しておりません!

肝心のきのこたちは言うに及ばず、背景もまだ描きあがっていません。焦ります。

さて前回、見切り発車のまま応募したため、練り直しに苦労したことを書きました。
なぜそこまで焦って応募したのか・・・・・・
それは、ほしじいたけ・ほしばあたけが一足先にほかの作家さんの絵本に出演してしまわないか、どこかの椎茸農園のマスコットに採用されてしまわないか、はたまた妖怪ウォッチの新キャラとして登場してしまわないか等々を恐れてのことです。
授賞式で他の受賞者の方とも話していたのですが、「本体はともかくネーミングを先取りされたらもうアウトですよねー。」
まったくその通りで、応募前も時々「ほしじいたけほしばあたけ」で検索しては、「大丈夫。まだひっかからない。」と胸を撫で下ろしていました。
どうしても自分の手でこの二人を世に送り出したかったのです。

毎年出していた「KFSアート・コンテスト」で2007年に優秀賞を受賞した絵、「干しじいたけ干しばあたけ」です。
この絵は、以前描いた落書きが元になっています。
落書き帳に、いろいろなきのこのキャラクターを描いていたとき、彼らはひょっこり現れました。
その横に「干ししいたけ」と書いたら、勝手に手が動いて濁点を付け加えました。
「じいたけ」がいるなら、「ばあたけ」も当然いるよなあ・・・と垂乳根のほしばあたけにしてやりました。
この落書きの二人が「わしらを描きんさい」と訴えかけてきたので、作品にしたわけですが、これを見た一部の人がとても気に入ってくれて、ああ、こういうのが好きな人も世の中にはいるんだと、認識を新たにしたものです。

この二人を主人公に、いつか絵本を・・・と思っていましたが、お話が全然浮かばず、長らく放置していました。
「ストーリーを無理に作り上げようとせず、まずそのキャラクターが住んでいる場所のイメージのスケッチをしたり、登場するキャラクターの性格や血液型、嗜好などを考えてみる」などとよくいわれますが、その攻め方でも進展せず・・・。
とりあえず通っていた絵本塾のワークショップに出してしまえーと、勢いで電車の中で最初のラフを描き上げました。
自分では、笑えるし面白いしそれなりにいいと思っていたラフは、しかしというかやはり酷評されました。
絵本塾では、このようにしたらという答はもらえません。
「そうじゃない」という指摘を受けて、「じゃ、こうかなー?」と考え直し描き直し・・・。
塾生仲間の感想やアドバイスにも助けられ、だんだん形になっていきました。
そして今は担当のO川さんに頼りきりで・・・。

つくづく他力本願で、いろいろな方々のお世話になりながらの絵本制作なのに、こんな進捗状況では「わしらをちゃんと描いてくれるのかのう・・・」とほしじいたけも心配していることでしょう。

ところで、絵本制作中、ほしじいたけとほしばあたけの見分けがつきにくいという指摘を受けました。
(自分の中では全然違うと思い込んでいたのですが・・・)
アート・コンテストの作品のように、タラチネのほしばあたけにしたら?という意見もありましたが、そうすると物語の終盤において大変なことになってしまうので却下させていただきました。
(大変なことって何だろうと思われる方、ぜひ完成した絵本をチェックしてくださいね!)というわけで、笠のまるい冬茹(どんこ)の方がほしばあたけです。よろしくお願いいたします。

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