第36回講談社絵本新人賞受賞 
石川基子の制作日記(第5回)

今まで深く考えずに適当にやってきた、絵本の文の「分かち書き」。
基準を統一するのが難しいことを改めて知りました。
この制作日記も、つい 分かち書きに して しまいそうです。

先日、色校のチェックのため、上京してきました。
既に印刷所さんの方で何度か製版テストが繰り返されていたようで、上がってきた色校は、ほぼそのままでもよいほどの仕上がりでした。
・・・・・・それを、「ああしてほしい」「こうしてほしい」と赤字だらけにするのは、ひとえに描き手が至らないせいです。

例えば、この場面は背景にも色をつけて描き込んでいましたが、カラフルな登場きのこたちがはっきりしなかったので、土壇場で白抜きに変更。
白い絵の具で背景を塗りつぶしました。
きのこたちの周りに残ってしまった色を消してもらう箇所があまりにも多くて、印刷所さんにはもちろんのこと、担当さんにも申し訳ない思いで、その指示を赤字で書き入れる作業を見守っていました。
校閲さんには、句読点についてだけでなく、きのこに関してもチェックを入れてもらい、私のうっかりを、これまた印刷所さんになんとかしてもらうことにしました。

色校のチェックだけなら、直接行かなくてもできるようなのですが、あえて出かけていったのは、原画をちょっと直したかったからです。
絵の具や筆や筆洗を携えて、数限りなくある「気になるところ」の中でも、いま特に気になっているところを、加筆・修正してきました。
部分的に再スキャン、合成してもらうとのことで、仕事を増やして本当に申し訳ありません!

児童局の秘密の会議室に陣取って、原画を広げて作業しました。
その一角には、今年の絵本新人賞の応募作品が並んでいます。

ちょうど一年前、「ほしじいたけ ほしばあたけ」もここで審査を待っていたことが、遠い昔のように思えてきます。
受賞の通知があってからも、本当に出版に至ることができるのか、ずっと不安に思い続けていましたが、皆さまのおかげで、やっとゴールが見えてきた感じです。

デザイナーさんによる装丁案を見て、ほしじいたけたちも感激しています。
いよいよ絵本らしくなってきて、うっとりしてしまいます。
タイトルの書き文字は「きのこ体」にしました。(※そんな書体はありません。)

見返しは、どの色になるのでしょうか?
どれもとてもかわいくて(作者バカ)、この抹茶色のなど風呂敷にできたらいいのに・・・と、見とれています。

それでは、次回最終回は、ほしじいたけ、ほしばあたけのインタビュー記事をお届けする予定です。
どうぞお楽しみに。

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