読み聞かせ

おはなし隊の読み聞かせ 「絵本別」 読み聞かせのコツ

講談社では日本全国、津々浦々に絵本を積んだバスで訪問し、読みきかせする、「全国訪問おはなし隊」という活動をおこなっています。
この連載は、その読みきかせのもようをお知らせしつつ、読みきかせのワンポイントアドバイスをお蔵だしいたします。実物の本を見ながら読んでいただくと、よりよくわかると思います。
ぜひ、身近なところでお話し会をされる方や、保育園、幼稚園、小学校などにいって読みきかせボランティアをされるときなどの参考にしてくださいね。

『くるみのなかには』の読み聞かせのコツ

おはなし隊隊長 加藤恵里

くるみのなかには なにがある?
始まりのひとことから、それはそれは素敵な世界が広がっていきます。
固いくるみのなかには、いったいどんな世界があるのだろう。そして……。
読み聞かせをするときに、言葉が少ない分難しいところもあるかもしれませんが、とても美しい絵の力が、絵本の世界へ導いてくれます。
子どもから大人まで楽しめる絵本です。
この本を読む時に大切なことは、くるみへの愛情です。それから、読むときの間です。
私は、くるみを愛おしいと思って読みます。

ページをめくり、「ゆらしてごらん」。
優しい気持ちで、静かに明るく心をこめて、この最初の言葉を届けます。
「もし」の後、一度きります。そして、効果的に「シャリン チリン……といい音がしたら」を読みます。
少し間をおいて、ページをめくります。

「なかにはちいさなちいさなたからもの」
間をおいて、くるみのなかの宝物を見せます。

ページをめくり、「みつけてごらん」
「ゆらしてごらん」より、少し元気に声をかけるように読んで、間をおきます。
りすが登場しますので、りすにも気持ちを寄せて読みます。

ページをめくり、裁縫箱をみせます。
「ちいさな はりさし ちいさな はさみ」は、裁縫道具ひとつひとつを丁寧に伝えます。

「よくみてごらん」優しく静かに読みます。
「もし、ちいさなドアがついていたら」
ここで、絵本の世界に入っている子どもたちから、自分の想像したくるみの中身を声を出して言ってくれたりします。そんな時は、にっこり微笑み、

ページをめくり、穏やかに暮らすちいさなおじいさんとおばあさんを紹介します。

「みみに あててごらん」優しく静かに読みます。
「もし カラーン カラーン……とかすかに おとが きこえたら」は次に大きな絵がでますから、それを心にとめて読みます。

ページをめくり、おおきなくるみの絵をじっくり見てもらいます。
ときを知らせるかねの音が感じられるように、おおらかに、ひろく。

次の雪のページは、効果的で大切な役割を持つと思いますので、冬の街に住み、聞き手と一緒に雪の日を知っているように、くるみと冬を過ごしているような気持ちで読みます。

「ちいさな ちいさな ちいさな ひとたちは」で、ちいさなが三回続きます。三回目はトーンを変えて読みます。

次のくるみは、中を見ないのでしっとりおもい重さを感じるように読みます。
「そっと」は、そっと読みます。大切に土に埋める気持ちで。

水をすって根をおろすところは、力を得ていくように、光に向かって芽を伸ばすところは、明るく読みます。

大きくなったくるみの木のページでは、立派な木に育ったことや花が咲くのを喜ぶように読みます。

秋になったら、たくさんの実をみのらせたことが嬉しいという気持ちで読み、
「ぽとん ぽとん」は、一個一個の存在感が感じられるように読みます。

「あたらしいくるみ たくさんのくるみ」は、ぱあっと明るく読みます。

最後のページの、最後の一行の読み方が最もむずかしくてたいせつかもしれません。
終わってしまうのではなくて、くるみと、この絵本の読み聞かせでくるみに想いを寄せた聞き手が、一緒に新しい一歩を踏み出すように、あたたかい思いを育てていくように読みます。

「絵本別」 読み聞かせのコツ バックナンバー

  • くるみのなかには

  • いただきますの おつきさま

  • ほしじいたけ ほしばあたけ

  • ちゅうちゅうたこかいな

  • パンダ なりきりたいそう

  • まゆげちゃん

  • しょうぼうしの サルサさん

  • ねこの看護師 ラディ

  • ゆきみちさんぽ

  • おもちのきもち

  • パンダ ともだちたいそう

  • コロッケ できました

  • くまさん どこ?

  • バナーナ!

  • ピカゴロウ

  • うどん対ラーメン

  • ぞうちゃんと ねずみちゃん

  • はっきょい どーん

  • うめじいのたんじょうび

  • ぬいぐるみのミュー

  • おむすびころりん

  • だーれの おしり?

  • ケーキ やけました

  • でんごんでーす

  • アントンせんせい おでかけです

  • のりもの つみき

  • おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー

  • さんさんさんぽ

  • ももんが もんじろう

  • パンツはちきゅうをすくう

  • とらのこさんきょうだい かえうた かえうた こいのぼり

  • ふってきました

  • カッパも やっぱり キュウリでしょ?

  • ねこ どんなかお

  • パン どうぞ

  • てぶくろ

  • もったいないばあさんの  てんごくとじごくのはなし

  • かけっこ かけっこ

  • びっくりはなび

  • ちいさなタグはおおいそがし

  • ブービーとすべりだい

  • イカになあれ

  • つかまえた!

  • ぼくだってウルトラマン

  • ぴたっ!

  • おにぎりにんじゃ

  • ぼくたちの ピーナッツ

  • ハッピー ハロウィン!

  • ねこときどきらいおん

  • よわむしモンスターズ

  • どろんこ! どろんこ!

  • もぐもぐもぐ

  • アントンせんせい

  • ごとんごとん ごー!

  • りんごはいくつ?

  • かもとりごんべえ

  • つるのおんがえし

  • かさじぞう

  • さんまいのおふだ

  • へっこきよめさま

  • さるかにがっせん

  • うらしまたろう

  • わらしべちょうじゃ

  • いっすんぼうし

全国をまわって読み聞かせをしている「おはなし隊」では月ごとに訪問先を募集中です! 月によって巡回する県が異なりますので、ご確認のうえお申し込みください。

本とあそぼう 全国訪問おはなし隊

犬が活躍する本

  • おっとっと

    おっとっと

    木坂 涼/文
    高畠 純/絵

    いぬのとうさん、おっとっと
    どうぶつたちも、おっとっと
    ハラハラドキドキ「おっとっと」な場面をユーモアいっぱいに描く絵本
    よみきかせにぴったり!!

  • アントワネット わたしのたいせつなさがしもの

    アントワネット わたしのたいせつなさがしもの

    ケリー・ディプッチオ/文
    クリスチャン・ロビンソン/絵
    木坂 涼/訳

    ブルドッグ一家のアントワネットには3匹の兄弟がいます。ロッキーはかしこくて、リッキーは足がはやくて、ブルーノは力持ち。でも、アントワネットは、じぶんの得意なことがわかりません。あるとき、なかよしのガストン一家のウッラッラーが、ゆくえふめいになりました。必死で探そうとしたそのとき、アントワネットに、なにかがひらめきました……!

  • ガストン

    ガストン

    ケリー・ディプッチオ/文
    クリスチャン・ロビンソン /絵
    木坂 涼/訳

    犬のガストンは、ちょっぴりきょうだいとちがっています。だけどみんな、とってもなかよし。ある日、公園で、ガストンにそっくりな家族に出会って……。全米で数々のベストブックに選ばれた、家族のありかたや、「自分」という個性を考えるきっかけになる絵本。

  • あ~っ!

    あ~っ!

    カンタン・グレバン/作

    どうしてこうなるの!?
    文字のない世界がイメージの翼を広げる、サン=テグジュペリ賞受賞のカンタン・グレバンの大傑作!

  • よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん

    よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん

    石崎洋司/文
    松成真理子/絵

    ある日、おばあさんは川で立派な箱に入った子犬を拾います。シロと名づけ、かわいがるうちに、シロは「おじいさん、わたしにのっておくれ」と話します。
    山でシロは「ここほれ、わんわん」 すると、大判小判がたくさん!
    それを見ていた隣のなまけ者のおじいさんがシロを借りていき、山へおいたてます。
    シロがなにも言わないのに、掘ってみると! 

  • いとしの犬 ハチ

    いとしの犬 ハチ

    いもとようこ/作・絵

    今日こそ帰ってくると信じて、雨の日も雪の日も、駅で先生を待ちつづけた秋田犬、ハチ。
    いもとようこのあたたかい絵とともに、世代をこえて伝えたい感動の実話です。

季節の絵本