読み聞かせ

『おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー』の読み聞かせのコツ

おはなし隊隊長 猪口まり子

夏に必須の怖いおはなしです。夢枕獏さんの『陰陽師』を大島妙子さんの絵で絵本化。
ぜひ、小学生の読み聞かせに使ってみてください。

子どもたちは怖いおはなしが大好き。
「夏真っ盛り、暑い日が続きますのでこのおはなしで少し涼しくなるといいですね……」
とふりながら、タイトルは重々しく
「おんみょうじ 鬼のおっぺけぽー」。
表紙はゆっくり見せてあげてください。

最初の2場面は説明するように淡々と読み進めていきます。
同じことばのくり返し
「ごとり ごっとん」「ごとり ごっとん」、
「ちかづいて くる」「ちかづいて くる」は、2つのことばの「間(ま)」を大切に。

次のページでは、鬼の群れがあらわれ、不思議なことばの羅列がはじまります。
「おっぺけぽー」「のっぺけぽー」、そして「とっぺけぽー」「たっぺけぽー」、あせらず、ひとことひとこと丁寧にことばを楽しむように読みましょう。でも、私はこれらのことばはどれも同じ調子で読みます。読むリズムを大事にしながら読むといいですね。

さらに鬼の説明が続きますが、ちょっと絵が細かいので遠目にはわかりにくいかもしれません。ただ、どの鬼かは指で指したりせず、子どもたちの想像にまかせていいのでは……と思います。

その後、晴明の顔が大うつしになりストーリーが進みます。今までは淡々と読んできましたが、少し調子をかえていきます。晴明の逼迫感、決心など、感情をあらわしていきます。
「ぼくが なんとか しなくっちゃ」。
絵としてかかれている呪文の「むん」「むん」……も読みましょう。

そして、ひとこと「しっ」というページでは、その絵からも大きなインパクトを受けますが、ひとさし指を唇にあてながら子どもたちを見回すと、さらに緊張感が高まって楽しめます。

結界をはって鬼からかくれますが、牛がないてしまい食べられてしまいます。
そして、人間をさがす鬼たち、ピンチのクライマックスの場面です。
「さあ、たいへん」「どうしよう」と盛り上げるように読んでいきます。

ここでお師匠の賀茂忠行がやっと鬼に気がつき、人間のかたちをしたかみで鬼をだまし、やりすごします。そして、帰っていく鬼たちのまた奇妙な言葉。「おっぺけぽー」「かっぺけぽー」「とっぺけぽー」。これらのことばは、おはなし全体を通じて終始同じ調子で読むようにします。

鬼の騒動が終わった後の忠行と晴明の会話は、がらりと雰囲気を変えて読みます。
晴明をほめる忠行のことばは嬉しそうに。「いやいや、すごいぞ 清明。」
ほめられたのはうれしいけど、ちょっぴりくやしそうに晴明。
「かみの 人形を にんげんに かえる あの じゅつを おしえて くださいね」
怖い思いをあまり残さないよう、締めくくってください。

低学年の子どもたちの中には、陰陽師ということばがわからない子もいるかもしれませんが、最初に説明してしまうのではなく、おはなしの中で理解してもらい、読み終わったあとで簡単に教えてあげるのがいいのでは……と思います。

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