読み聞かせ

『くるみのなかには』の読み聞かせのコツ

おはなし隊隊長 加藤恵里

くるみのなかには なにがある?
始まりのひとことから、それはそれは素敵な世界が広がっていきます。
固いくるみのなかには、いったいどんな世界があるのだろう。そして……。
読み聞かせをするときに、言葉が少ない分難しいところもあるかもしれませんが、とても美しい絵の力が、絵本の世界へ導いてくれます。
子どもから大人まで楽しめる絵本です。
この本を読む時に大切なことは、くるみへの愛情です。それから、読むときの間です。
私は、くるみを愛おしいと思って読みます。

ページをめくり、「ゆらしてごらん」。
優しい気持ちで、静かに明るく心をこめて、この最初の言葉を届けます。
「もし」の後、一度きります。そして、効果的に「シャリン チリン……といい音がしたら」を読みます。
少し間をおいて、ページをめくります。

「なかにはちいさなちいさなたからもの」
間をおいて、くるみのなかの宝物を見せます。

ページをめくり、「みつけてごらん」
「ゆらしてごらん」より、少し元気に声をかけるように読んで、間をおきます。
りすが登場しますので、りすにも気持ちを寄せて読みます。

ページをめくり、裁縫箱をみせます。
「ちいさな はりさし ちいさな はさみ」は、裁縫道具ひとつひとつを丁寧に伝えます。

「よくみてごらん」優しく静かに読みます。
「もし、ちいさなドアがついていたら」
ここで、絵本の世界に入っている子どもたちから、自分の想像したくるみの中身を声を出して言ってくれたりします。そんな時は、にっこり微笑み、

ページをめくり、穏やかに暮らすちいさなおじいさんとおばあさんを紹介します。

「みみに あててごらん」優しく静かに読みます。
「もし カラーン カラーン……とかすかに おとが きこえたら」は次に大きな絵がでますから、それを心にとめて読みます。

ページをめくり、おおきなくるみの絵をじっくり見てもらいます。
ときを知らせるかねの音が感じられるように、おおらかに、ひろく。

次の雪のページは、効果的で大切な役割を持つと思いますので、冬の街に住み、聞き手と一緒に雪の日を知っているように、くるみと冬を過ごしているような気持ちで読みます。

「ちいさな ちいさな ちいさな ひとたちは」で、ちいさなが三回続きます。三回目はトーンを変えて読みます。

次のくるみは、中を見ないのでしっとりおもい重さを感じるように読みます。
「そっと」は、そっと読みます。大切に土に埋める気持ちで。

水をすって根をおろすところは、力を得ていくように、光に向かって芽を伸ばすところは、明るく読みます。

大きくなったくるみの木のページでは、立派な木に育ったことや花が咲くのを喜ぶように読みます。

秋になったら、たくさんの実をみのらせたことが嬉しいという気持ちで読み、
「ぽとん ぽとん」は、一個一個の存在感が感じられるように読みます。

「あたらしいくるみ たくさんのくるみ」は、ぱあっと明るく読みます。

最後のページの、最後の一行の読み方が最もむずかしくてたいせつかもしれません。
終わってしまうのではなくて、くるみと、この絵本の読み聞かせでくるみに想いを寄せた聞き手が、一緒に新しい一歩を踏み出すように、あたたかい思いを育てていくように読みます。

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