読み聞かせ

『りょうりを してはいけない なべ』 の読み聞かせのコツ

おはなし隊隊長 佐々木貴美子隊長

コックが「おいしい料理を作ろう」と買った鍋が、笑って料理を吐き出したり、中に入れる材料を好き嫌いする、とんでもない鍋だったのです。ユニークな鍋の絵の、ナンセンスな楽しいお話です。

ずらりと並んだお皿の絵。でもそのお皿の上には、まともに出来上がった料理はひとつもありません。 なぜでしょう?不思議なお皿たちが、お話へと誘います。

「ここはまちでいちばんにんきのレストラン。きょうもみせはおおいそがし。せんじつ、ひとりのコックがあたらしいなべをかってきました。」
物語の世界に子どもたちを案内していく大事な文章ですね。子どもたちは左下の鍋の絵に注目していますから、その表情を確かめながらゆっくりと読み始めましょう。

「ところが このなべときたら……、」
次のページへと続く文です。「ところが」は、何か予想外のことが起きる予感を表現する読み方で雰囲気をつくり、子どもたちの気持ちをつかんでいきましょう。

料理中に笑いだす、とんでもない鍋だったことがわかります。

「ウフフフ!アハハハハ!」
鍋の笑い声は、身勝手な鍋の性格づけをして読みましょう。

「りょうりが ジャバ~!」
鍋が料理を吐き出すイメージで。

鍋は笑っては料理を吐き出し、材料の好き嫌いまでするのです。絵が3つに分かれています。どの絵のことかを、指差しをしながら読むとわかりやすいですね。

とうとう鍋は料理長に叱られますが、悪びれることなく言い返します。

「だっておもしろいんだも~ん」
生意気そうな口調で表現するとよいですね。

「もうおまえにはりょうりをつくらせん!」
料理長がかんかんに怒っているように勢いよく。

右のページが「1かげつがたちました」。左のページが「2かげつがたちました」の絵。右の絵の文を読んだあと、左の絵の文を読むまで、少し間をおいて、月日が経過した感じを表すとよいですね。少しずつ働きたくなってきた鍋の心境の変化の言葉は、ぼそぼそと口ごもった感じの言い方で表現できますね。

「そして、3かげつたったあるひのこと。そのひはいつにもましておおいそがし。」
ようやく鍋を使ってもらえるようになります。忙しい厨房のようすは少し早口で読んで変化をつけると、鍋が態度を改めて仕事をするようすの臨場感が伝わります。

おしまいは、最初のころとは違って、しっかりと料理をして誇らしげな鍋の絵です。そんな気持ちの変化を表現しながら、子どもたちに「よかったね」と安心感を与えるようにやさしく読んでみましょう。

最初の見返しの、料理が未完成のお皿とはうって変わり、おいしそうな料理が盛りつけられたお皿が並んでいますね。子どもたちの心に残るようにしっかり見せてあげてください。

裏の表紙を見せて、表に戻して表紙を見せてから、裏の表紙も開いて、絵がつながっているのを見せます。表紙から裏の表紙まで、子どもたちを、いっぱい楽しませてあげてくださいね♪

子どもたちは「給食の鍋がこれだったらいやだー」と、笑いながら聞いてくれます。ユーモアたっぷりのお話を、絵のメッセージに導いてもらいながら、子どもたちといっしょにお話を楽しんで読んでくださいね。

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