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講談社の翻訳絵本
『地球と宇宙のおはなし』
◆チョン・チャンフン/文
◆山福朱実/絵
◆おおたけ きよみ/訳
◆読みきかせ:4歳から ひとり読み:小学校低学年から
自然/宇宙/夜空を眺めたいときに
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月のかたちがかわるのはどうして?
地球にはどうして昼と夜があるの?
私たちが住む地球は、果てしなく広い宇宙の中のほんの一部。そんな宇宙と地球の関わりや不思議を、美しくダイナミックな絵で描いた絵本です。
・絵/山福朱実さんからのメッセージ
太陽や月や地球がなければ私たちはいません。
いまここに地球があるなんてすごいことだし、お父さんやお母さん、兄弟や友達がいるというのは、まったくもって奇跡です。
宇宙というのは広すぎて、距離や時間も長すぎて、知れば知るほど遠ざかり、想像していると、
だんだんなにがなんだかわからなくなってしまいます。
宇宙全体からみると塵より小さい地球の上で、笑ったり泣いたり、毎日大忙しな私たち人間。
100年なんてほんの一瞬です。
だったら1分1秒を喜びの中で過ごそう。多少の問題くらい大丈夫、へっちゃらへっちゃら!
ときどき空を見上げながら、宇宙の一部であることに誇りを持って絵を創りました。
この絵本がきっかけとなって、読んでくれたみなさんが広い広い宇宙に飛び出してくれると嬉しいです。
・訳/おおたけ きよみさんからのメッセージ
『地球と宇宙のおはなし』は、最初に韓国で出版された絵本です。今回、翻訳絵本として日本のみなさんに紹介されることになりましたが、実は、企画と文章は韓国、絵は日本の作家による新しいタイプの<日韓コラボ絵本>となっています。
文章を書いたチョン・チャンフンさんは、ソウル大学で天文学を学び、韓国で長年子どものための宇宙や天体に関する科学の本を書いてきた専門家です。絵は、現代的な版画の技法が印象的で韓国の人々にも人気のある作家、山福朱実さんです。
今、韓国では子どものための絵本づくりが意欲的に行われていますが、この絵本も韓国で人気を集めた知識の絵本です。作者のチョン・チャンフンさんは、子どもたちがお母さんやお父さんの手を握りながら、夜空の星や月を眺めてくれたら、という気持ちでこの絵本を書いたそうです。
日本と韓国の共同作業でできあがったこの絵本は、遠い宇宙に思いをはせながら、その美しさや不思議さに共に驚き、そして共に大切にしようという愛に満ちています。
チョン・チャンフン
ソウル大学で天文学を学んだ後、科学雑誌の記者を経て、『月刊 科学少年』と『月刊 星と宇宙』の編集長を歴任。現在は、子どもの本を含めた、科学に関する教養書の企画・執筆で活躍している。
山福朱実(やまふく あけみ)
イラストレーション等の仕事を続けながら、2004年に木版画の制作を開始。木版画絵本に『ヤマネコ毛布』(パロル舎)、『砂漠の町とサフラン酒』(架空社)など。装丁・挿画、個展やグループ展への参加なども積極的に行っている。
おおたけ きよみ
白百合女子大学大学院修士課程修了後、日韓文化交流基金訪韓フェロー、大韓民国政府招聘留学生として6年間ソウルで学ぶ。翻訳に、「韓国の絵本10選」シリーズ(アートン)のほか、『とらとほしがき』(光村教育図書)など多数。東京純心女子大学准教授。教育博士。
去年の9月、(若)先輩と一緒に、山福朱実さんの個展に行ったことがこの絵本を刊行したきっかけでした。その個展で、宇宙をテーマにした作品がいくつか展示されていたのですが、私はその美しさと迫力に圧倒され、しばらく見とれてしまいました。作品について山福さんに伺うと、「韓国で刊行された絵本の原画なんです」とのこと。ぜひ日本でも出版したい! と思い、訳者のおおたけきよみさんとの出会いなど、紆余曲折を経て、 このたび無事刊行の運びとなりました。
2009年は、ガリレオ・ガリレイが初めて望遠鏡で夜空を観測した1609年から400年が経った節目の年で、「世界天文年」と位置づけられており、日本でも宇宙に対する関心が高まっています。子どもが宇宙に興味を持つきっかけとしてふさわしい絵本だと思いますので、ぜひご覧ください!(弓引き童子)
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