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講談社の翻訳絵本 クラシック セレクション
『アンジェリーナの バースデイ』
◆キャサリン・ホラバード/文
◆ヘレン・クレイグ/絵
◆おかだよしえ/訳
◆読み聞かせ:2歳から ひとり読み:5歳から
寝る前の読み聞かせに/誕生日プレゼントに
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アンジェリーナシリーズ8作目です。もうすぐアンジェリーナの誕生日。アンジェリーナは、アリスと、誕生日パーティーの飾りを買いにいきますが、帰り道、自転車競走をして転び、自転車は大破。新しい自転車を買うために、アンジェリーナは働くことにしました。ホッジポッジさんの畑を手伝ったり、リリー先生の家の掃除をしたり……。でも自転車は高価で、お金はまだまだ足りません。土曜日の午後は、いよいよ誕生日パーティー。いったいなにが起きるでしょうか?
・訳/おかだよしえさんからのメッセージ
シリーズ8作目は、アンジェリーナのバースデイ!
お誕生日は、誰にも一年に一度巡ってくる、特別な一日ですよね。アンジェリーナも、お誕生日を前に、うきうき、わくわく。親友のアリスと、バースデイ・パーティの飾り物を買いにでかけます。ところが、帰り道に自転車をひっくり返し――。足は痛いし、だいじな自転車はめちゃめちゃ。新しい自転車はとっても高いし……。べそをかくアンジェリーナに、さて、おかあさんは、何といったでしょう? 親友のアリスや近所のおとなたち、バレエのリリー先生、いとこのヘンリー君まで。みんながこぞって、“傷心の(!?)”アンジェリーナを応援するこのお話。読み終わると、心はほかほか。どなたもきっと、「お誕生日っていいなあ!」と、改めて思われることでしょう! おじいちゃん、おばあちゃん(スターになる、の巻で、初登場)、なつかしい郵便配達のベルさん(クリスマス、の巻で大活躍)も再登場。楽しいガーデン・パーティの様子や、緑したたる、美しい田園風景とともに、お楽しみください! お誕生日のプレゼントにも、ぜひどうぞ!
キャサリン・ホラバード(Katharine Holabird)
シカゴ生まれ。1969年、ベニングトン大学文学部卒業後、ジャーナリスト、幼稚園教論、フリーのライターなどを経て、1982年より児童書の執筆に入る。1983年からヘレン・クレイグと組み、「アンジェリーナ」シリーズに着手。現在までに10作品以上を発表している。このシリーズで、ケンタッキー・ブルーグラス賞、Child Study Association's Children's Book of the Yearなど多くの賞を受賞している。
ヘレン・クレイグ(Helen Craig)
1934年、ロンドン生まれ。祖父に高名な舞台芸術家であり、演出家・木版画家でもあったゴードン・クレイグを持ち、父は映画監督、兄弟はグラフィック・デザイナーという芸術一家の一員として育つ。フォトスタジオ経営、陶芸家・彫刻家としての活動を経て、1970年より児童書の挿絵画家として活躍。これまでに手がけた挿絵は、60作以上に及び、「アンジェリーナ」シリーズで数々の賞を受賞しているほか、1995年度米国書店推薦賞など多数の賞に輝く。
おかだよしえ(岡田好惠)
1950年、静岡県生まれ。青山学院大学仏文科卒業。翻訳作品に、『ぼく パパに なるんだよ』、「カモノハシのプラティ」シリーズ、「ティーン・パワーをよろしく」シリーズ(以上 講談社)、『ジャングル・ブック』(講談社・青い鳥文庫シリーズ)、『デルトラ・クエスト』(全8巻)(岩崎書店)など。著作に、『アインシュタイン』、『ダイアナ妃』(講談社・火の鳥文庫シリーズ)などがある。
http://www.okadayoshie.com/
今回はお誕生日のおはなし……、ではあるのですが、中身はむしろ「お金を稼ぐことの大変さ、大切さ」といったところでしょうか。
転んで自転車を壊してしまったアンジェリーナ。お手伝いで稼いだお金で、新しい自転車を買おうとしますが、ぜんぜん足りません。なかなかリアリティがあります。大人の本物の“労働”とその対価には遠く及ばないのだ、という現実です。それをわからせるシーンを用意しているところがいいなあと、私は思っています。
ところで、気になってしかたがないことがあります。そもそもの発端である、自転車を壊したことを、最後までアリスのせいにして終わらせていることです。それは自己責任では? と思ったりするのですが……。みなさんのご意見をぜひうかがってみたいところです。
もちろん、お誕生日のプレゼントにも、どんどんご利用ください!(チ)
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