講談社絵本通信｜本をさがす「よみきかせ絵本フェア」開催記念　〈全国訪問おはなし隊〉隊長の「よみきかせアドバイス」

　夢あふれるキャラバンカーにたくさんの絵本をつんだ「本とあそぼう　全国訪問おはなし隊」は、1999年のスタートから10年間、日本全国の幼稚園、小学校、図書館などをまわりつづけています。
　その「全国訪問おはなし隊」の人気ランキングから絵本を選んだ、「よみきかせ絵本フェア」を、現在、全国書店店頭で開催しています。
　この特集では、フェアの対象となっている絵本の「よみきかせアドバイス」を、「全国訪問おはなし隊」の隊長さんたちにきいてみました！

●ふってきました

熊本市・出水幼稚園

　本を読む前に、お天気の話をひとこと。「今日はいいお天気だけど、お空からふってくるのはなにかな？」意外なものが次々にふってくる展開に、子どもたちはびっくり。ページのめくり方を工夫して、「すると、そらから……」を先に読んでからページをめくると、もっと楽しいですね。おかあさんがふってくる場面がクライマックスです。「おみごと！」のひとことに、自然に拍手がおこります！　花が咲きほこる春、母の日にもぜひ読みたい一冊です。（谷　道子　隊長）

実際のよみきかせのようすをご覧ください！　

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キッズステーション「本とあそぼう」より

講談社の創作絵本
『ふってきました』
◆もとしたいづみ／文
◆石井聖岳／絵

つるこちゃんがお花をつんでいると、空から大きなワニがふってきました。ワニといっしょにお花をつんでいると、こんどは……。心あたたまるナンセンス絵本です。

●もったいないばあさん

青森市・BOOKS AMERICAN波館店
写真は『大型絵本　もったいないばあさん』です

　年少さんから、おとなまで、どこに行っても大人気！　書店さんでも定番です。絵の輪郭がはっきりしているので、とても遠目がききます。登場人物が少ないので、あまり声色を使う必要もないと思います。最後のページの「もったいないこと　してないかい？」に、子どもたちから「してな〜い！」の声があがります。時間のあるときには、「もったいないばあさん音頭」のＣＤをかけて、みんなで踊ると、一気に盛り上がります！（新藤　優子　隊長）

講談社の創作絵本
『もったいないばあさん』
◆真珠まりこ／作・絵

もったいないばあさんが、今日もぼくの家にやってきた。ぼくが捨てようとした物で、いろんなことをしてくれるんだ！　物を大切にする心が自然に育つベストセラー絵本。

●おじさんのかさ

写真は『大型絵本　おじさんのかさ』です

　大型絵本があるので、まずは普通サイズの絵本を見せて、その後に大きな本を登場させます。「あめが　ふったら　ポンポロロン」は、歌うように口ずさみます。自分流の旋律で結構ですが、何度か出てくるので、同じ音程にしましょう。おじさんが傘を開いた場面と、みんなの傘が開いたページは、ことばがありません。全員のこどもが楽しめるように、たっぷり見てもらいます。最後は、ゆったりと読み終えるといいですね。（吉田　詳子　隊長）

講談社の創作絵本
『おじさんのかさ』
◆佐野洋子／作

ぬらしたくないと、傘をさそうとしないおじさん。ある雨の日、ふとしたきっかけで、はじめて傘を広げてみます。すると……。

●オレ・ダレ

石垣市・真喜良小学校

　月夜の動物たちが、美しいシルエットであらわれる絵本『オレ・ダレ』。この絵本は「参加型」です。小さな子どもたちの前で読むときは、そのまま絵を見せながら読みますが、少し大きな子どもたちには、はじめは絵を見せずに「オレ、ダレ？　私はだあれ？」まで文章を読んでから、一斉に声を出してもらいます。絵を見せると、「やった〜！」と楽しい声があがります！　一冊まるごと読まずに、次の絵本の導入として、ページを選んで読んでもいいですね。（鈴木　よね子　隊長）

講談社の創作絵本
『オレ・ダレ』
◆越野民雄／文
◆高畠　純／絵

ジャングルの深い夜の闇のなかに、ひそかに息づく動物たち。月に照らされてくっきりと浮かび上がる、そのシルエットから、動物たちの心が見えてきます。

●おおきな　ものの　すきな　おうさま

宮古島市立南小学校
写真は『大型絵本　おおきなもののすきなおうさま』（発行／メイト）です。

　ちょっとお茶目な王さまを、安野さんの繊細な絵と、優雅な日本語で描いた作品。大型絵本が発売されているので、おはなし会では時おり指でさし示しながら、細かなところまでじっくり見てもらいます。最後の小さなチューリップが芽を出すシーンは、みんな意外そうな顔をしてくれます。けっして派手な色づかいではありませんが、小さな子どもから楽しむことができる一冊です。 (読書推進事業部　W）

講談社の創作絵本
『おおきな　ものの　すきな　おうさま』
◆安野光雅／作・絵

昔、あるところに大きなもののとても好きな王さまがいました。家来たちに命じて、つぎつぎと大きなものを作らせますが……。

●あした　うちに　ねこが　くるの

出雲市立神戸川小学校

　年中児から、小学生まで、幅広い会場で読んでいます。ページの最初から、どんなネコがお家にやってくるのか、みんな興味津々！　「○○なネコだったらどうしよう」という短いフレーズの繰り返しですが、急がずに、絵をゆっくり楽しんでもらうようにしましょう。「え〜っ！」「ありえな〜い！！」子どもたちの反応はさまざま。扉の向こうから「ピンポーン」が鳴るページは、じゅうぶんに間をとります。かわいいネコの登場に、「ホッ」とため息が聞こえてきます。（坂口　慶　隊長）

講談社の創作絵本
『あした　うちに　ねこが　くるの』
◆石津ちひろ／文
◆ささめや　ゆき／絵

明日ウチに猫がくる……。あんな猫ならいいな、こんな猫だったらどうしよう。どんどん広がる女の子の空想が、注目のささめやゆきの絵でイメージ豊かに描かれます。

６月の編集後記