講談社絵本通信｜知育アルバム　１年生のかん字８０　最終回

最終回

さて、この連載『ちゃんとおぼえてますか？　１年生のかん字８０』も最終回。
大きなランドセルを背負った新１年生たちを見ると、ひらがな、カタカナから習い始めるのに、80字も漢字を習うんだよな、と感心してしまいます。
最終回の今回は漢字の本の定番、「なりたち」についてのこぼれ話です。

『知育アルバム　１年生のかん字８０』

この本の監修者は、テレビでもおなじみの金田一秀穂先生。すばらしい紅葉が見晴らせる先生の研究室で、まず諸説ある漢字のなりたちから、どの説をとるかということからご相談をはじめました。なにせ漢字ができたのは、はるか昔の中国のことなので、元になった形の解釈に幅がでてくるわけです。先生がなごやかに、おっしゃたのは、
「たとえば白川静先生の説は、支持している方も多いし、これに基づくのも良いと思うのだけれど……、けっこう物騒なこと書くことになるんだよね。」
そうなんです。たとえば、白という字は、白骨化した頭蓋骨、髑髏（どくろ）の形で、そこから「しろい」という意味を持つようになった……というように。『白川静さんに学ぶ漢字は怖い』（小山鉄郎・著　共同通信社）なんて本もでているぐらいですから。納得させられるところも多いし、大人としてはおもしろいんですけど、１年生の子たちが学ぶにはどうか、ということで、ちなみに最終的に本書で採用したのは、下の説です。