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(ほろほろ鳥)6月の編集後記

いま絵本新人賞の選考が佳境を迎えていますが、新人賞に応募されるメリットは、賞を取ることだけではありません。今月刊行した『ルッキオとフリフリ 大きなスイカ』は、選からもれましたが、読んだ者に強いインパクトを与える作品でした。それがご縁となって担当者との長い「熟成期間」を経て満を持しての刊行となりました。ぜひ、本屋さんで手に取って見て頂ければ、このふしぎなインパクトを共有していただけると思います。さて、長らくご愛読いただいている『講談社 絵本通信』ですが、この形での更新は、これが最後。スマホからも見やすく、SNSやツィッターなどとも連動して大幅に、リニューアルします。今よりもっと、こまめに情報発信できるようになります。またリニューアルを記念してプレゼント企画もありますので、ぜひぜひチェックをよろしく御願いします。(ほろほろ鳥)

 
次回は2014年7月31日更新予定です。
 
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第54回講談社児童文学新人賞報告
児童文学新人賞募集要項 児童文学新人既刊
絵本新人賞

第54回講談社児童文学新人賞、受賞作品決定!

今年で54回を迎えた児童文学新人賞に、525作品のご応募をいただきました。これらの作品について一次・二次選考および8月21日に行われた最終選考会での最終候補作5作品の中から慎重な審議の結果、次のように入選作を決定いたしました。

(最終候補作)
『あしたも、さんかく』 安田夏菜
『宇宙のカケラ』 平野みつる
『六センチ。』 万乃華れん
『ピンクフォン・ヴィーナス』 林けんじろう
『トミエさんの真夜中ものがたり』 葦原かも

(順不同)
該当作なし
〔賞状・副賞20万円〕
『あしたも、さんかく』  安田夏菜(兵庫県)
〔賞状・副賞20万円〕
『トミエさんの真夜中ものがたり』  葦原かも(東京都)

朽木祥先生
 五〇〇編を越える応募作の中から、最終選考には五編が上がってきました。
『宇宙のカケラ』には、重層構造や伏線など物語としておもしろい要素が多々ありました。「二番手の存在」というモチーフも心に残ります。気になったのは、語り手(主人公の少年)の年齢に不相応な表現が散見されたことです。この点は、たとえば三人称で語られれば印象が変わったかもしれません。なにより大切な「物語りたいこと」を持っている書き手なので、ぜひ書き続けていただきたいと思います。
『ピンクフォン・ビーナス』は、着想に優れ推理物としての設定も巧みな作品でした。話し言葉を書き起こす力も卓越しています。ただ、読んでいて修辞に躓かされることが多かったのが惜しまれます。児童文学として仕上げるなら、削るかたちでの推敲や再構成が適切でしょうが、この持ち味のままジャンルを変えることも考えられるでしょう。
『六センチ。』は、川柳を自在に使ったリズムのある作品でした。川柳が趣味の八百屋の夫婦、その息子と農婦のおばあさんの関わりが「手」のモチーフでつながっていくところなど、とてもよく練られています。物語の醸し出す「軽み」について評価が分かれたのが残念でしたが、今後も期待できる書き手だと思いました。
 佳作受賞の『トミエさんの真夜中ものがたり』。子どもが出てこない物語でこれだけ子どもの気持ちに寄り添える書き手は貴重です。各編の完成度にややばらつきがありましたが、ファンタジーのセンスが抜群で、ペンギンのポットやねむこ玉などモチーフの使い方も魅力的でした。子どもたちのために、わくわくするような物語を生み出していって下さることでしょう。
 同じく佳作受賞の『あしたも、さんかく』。メッセージ性が強くタイトルも生きています。冒頭、子どもの心の動きが大変よく描かれ、これが最終場面につながって収まります。「さくらんぼ」(「頭山」)の改稿も見事で、それにからめて主人公や登場人物のそれぞれの気づきを書いたところが巧みでした。起承転結をきちんと考えて構成された手練れの作品とも言えます。これからも次々書いていって下さることでしょう。
 葦原かもさん、安田夏菜さん、おめでとうございます。
千葉幹夫先生
 大賞とはいかなかったが、二編を佳作に選出できたことをまず喜びたい。『あしたも、さんかく』はダメ大人を素直な気持ちの子どもが支えるという人物造形が安定していて手堅い。ただ「さくらんぼ(頭山)」という落語の代表作に寄りかかりすぎという点と、オチを変える点にわたしは抵抗があったが、それも作者の力業だという意見に納得した。『トミエさんの真夜中ものがたり』は発想がユニークで文章表現が端正でむだがなかった。いかにも童話らしい完成度の高い作品だが、新しさという点で首をかしげるところはあった。今後、はじけてほしい。『宇宙のカケラ』は構成力に巧みさは感じたが、児童文学の表現としては難がありすぎた。言葉ともっと格闘してほしい。『六センチ。』は川柳をつかった牧歌的な雰囲気はわたしの好みだったが、前半と後半に落差が感じられた。『ピンクフォン・ヴィーナス』は阪神淡路大震災を無理に使った感じが否めないし、構成力に問題ありで、なにより舞台とした尾道を愛しているのだろうかと疑問に感じた。
はやみねかおる先生
 最終候補作の中で、もっとも子どもに読ませたいと思ったのが『トミエさんの真夜中ものがたり』でした。優しさが感じられる物語です。さらに、独自の世界を広げていってほしいです。『あしたも、さんかく』は、ダメな大人がきちんと書かれていました。あと、落語のおもしろさに頼ってる面を直せば、もっと良くなると思います。
 他の三編──『宇宙のカケラ』は、誤字脱字、文章のミスなどがたくさんありました。せっかくの良いテーマを書き込める文章力を持ってください。『六センチ。』は、スッと読ませる力があります。手の美しさについては、もっと広い価値観を子どもに示してほしいです。『ピンクフォン・ヴィーナス』は、構成も良く文章も上手ですが、子どもへの問題提起と問題の丸投げを混同しています。どの作品も、物語としては合格レベルなのですが、現代の子どもへ何を伝えるかという視点が欠けているのが残念です。
ひこ・田中先生
 プロになることと、夢を追うことは必ずしも一致しないのですが、『あしたも、さんかく』は、そうであっても夢をあきらめきらない、しょうがない大人の姿を子どもの目線であたたかくつつもうとしています。『トミエさんの真夜中ものがたり』は抜群の安定性で楽しい世界を展開します。そこが良い点でありますが、今後弱点にもなりますので、不安定な部分を描き残す勇気を持ってください。『六センチ。』は川柳を素材に使うアイデアはいいのですが、大人の話にバランスを置きすぎ、子どもの物語になるには、もうちょっとの工夫がいると思います。『ピンクフォン・ヴィーナス』は荒削りながら仕掛けの構想力に才能を感じましたが、今作はその才に振り回されていたのが残念でした。『宇宙のカケラ』は、残った作品の中で一番現代的テーマに接近していました。しかし、五年生とはとても思えない言い回しが頻発しています。子ども読者をもっと意識してください。
 十歳前後を主人公に、世界を描く難しさは選考委員みなが自らのこととして常に感じています。子どもの視線でこの世界をどう描けるか、どう描くのか。私たちと一緒に挑戦してみてください!
令丈ヒロ子先生
 今回の最終選考通過作品は、去年に続き、「子どもが読者ということを考えて表現しているか」というところで、ひっかかるものが多かったです。話作りは技術的に高く、文章の鍛錬をしてこられた方が多かったのも印象に残りました。
『宇宙のカケラ』は、前半の完成度は高く、落ち着いた筆致で、理性的かつ感覚的に鋭い描写に引き込まれたのですが、後半は、次々起こる事件に対する登場人物の反応や動きが急に不自然になり精彩を欠くように感じました。子どもたちそれぞれの心の痛みが、読み手に伝わりきらなかったのが残念でした。扱っているテーマは、現代の子どもにとって大事な問題なので、目の付け所は良かったと思います。
『六センチ。』は、川柳をうまく使った、構成もキャラ作りも巧みな完成度の高いお話でした。しかし、今の子ども読者が魅かれる要素…、素直におもしろいと思える部分、また日々の生活の中で子どもが直面しているであろう問題など…があまりなく、大人の読者にとって魅力的なお話としてできあがってしまっているのが残念でした。
『ピンクフォン・ヴィーナス』は、非常に複雑な構成で、多くの考えさせられる要素を含んだ力作でした。物語作りの技術はとても高いと思いますが、ストーリーとしてではなく子ども読者に残るであろう心の影響の部分で、問題を投げかけたまま放置しているところが多く見られたのが気になりました。また阪神大震災が、物語の大きな軸となるはずなのですが、その扱われ方が緻密に構成されたお話のわりには、不安定で未消化な印象でした。
『トミエさんの真夜中ものがたり』と『あしたも、さんかく』は、今を生きる子どもにアピールするものがあるのではないか、と思い、この二作を推しました。
『トミエさん……』の作者には、独特のユーモア感覚、きれいで思いうかびやすいシーンがたくさん描けている、存在感のある登場人物や生き物が描けている、美しいだけの話でなく人の邪悪な部分や、ダメな部分なども、幼い人に伝わるやり方でさりげなく盛り込んである、などなど。幼年童話作家として、とてもすぐれた資質を感じました。また童話の世界でありながらも、地に足がついた、現代のにおいがするのが、とてもいいと思いました。欲を言えばですが、忘れられないような強い印象を残す、子どもの友だちとなれるようなキャラをここに出せれば、長く愛されるすばらしい作品になったと思います。
『あしたも、さんかく』は、一昨年に佳作を受賞した『夜明けの落語』に続き、これも落語をテーマにしたものです。
 選考委員が落語好きであるから、落語テーマのものが優遇されているわけではなく、むしろ、「また関西が舞台で、また落語……」という意味では、かえって厳しい選考となりました。しかし、それを突破するほどこの作品には魅力あるおもしろい部分が多かったということでしょう。登場人物が、人としてまっとうな者もそうでない者も、描写やセリフが簡潔かつ、ぶ厚くリアリティがありました。後半の見せ場のシーンで、古典落語を改作して投げ込んできたのは、選考委員で評価が大きく分かれるところでしたが、お話の中に、子どもにも伝わりやすい方法でうまく組み込まれていて効果的であったと思いました。『トミエさん……』の作者もこの作者も、児童書の書き手として、即戦力になってくれるのではないだろうかという期待をこめて、強く推しました。選ばれた二編は美点が多く、読み応えもあり、今回の選考は実り多かったと思います。そして新人賞の意味や、歴代の受賞者の顔ぶれを考えますと、荒々しくとも、かたよっていても、それまでになかった道を作ってくれる、今を生きる者に新しい景色を見せてくれそうな、書き手、作品を、引き続き願います。
(五十音順)


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