豪華執筆者でおくる、はじめての落語にぴったりな決定版が登場!
「寿限無」「時そば」「まんじゅうこわい」など、おなじみの話をはじめ、古典落語の楽しい話を、101話網羅。
この1冊を読めば、落語の魅力がすべてわかります。
・監修/高田文夫さんからのメッセージ
「毎度バカバカしいお笑いを申しあげます。」といって落語ははじまります。落語というのはその字を見てもわかるとおり、「落ち」を「語る」お話です。出てくる人たちはみんなどこかユーモラスでいい人ばかり。悪い人がひとりも出てこないのも、特徴のひとつです。お話の中には江戸の人々が愛したユーモア・じょうだん・ジョーク・だじゃれ・ギャグがたくさんつまっています。笑いながら、そして、はじめて知る話にワクワクしながら、当時のくらしが自然とわかります。小さなお子さまには大人の方が読んで聞かせてあげてください。大きなお子さまたちは自分で読んで、つぎに、それをおぼえて人に聞かせてあげるとみんなびっくり。すぐに人気者です。
落語をたっぷり楽しんで、心がゆたかな人になってください。落語は世界にほこれる日本のユーモア文学なのです。(本文より抜粋し、再構成しました。)
・文/石崎洋司さんからのメッセージ
落語は「語り物」。噺家さんの肉声で、体温を感じながら笑うのが本来の姿ですね。でも幼い子どもたちにとっては、いきなり寄席へ行くよりも、親の声とぬくもりを感じながら聞く方が、敷居が低いかもしれません。「ひざの上で、親子寄席」。そんな光景を思い浮かべながら、語って楽しい、聞いておもしろい原稿をこころがけました。ぜひ、お子さんといっしょに読んでくださいね。
・文/金原瑞人さんからのメッセージ
うちの父親は子供と遊んだりすることはめったになかった。例外が、釣りと落語だった。釣りはさておき、落語はなぜかいっしょに観た。父親に「おめえは、落語が好きじゃのう」といわれたときのことまで覚えている。そのときのふたりをつないでいたのが落語だったというのが、いまでも不思議で、ちょっとなつかしい。お父さんと子供でいっしょに楽しめる落語の本ができるといいなと思いながら、いくつかの話をまとめてみました。
・文/もとしたいづみさんからのメッセージ
見て聴いて愉しむ話芸「落語」を、ひらがな多めの短文にして「落語って面白いよ!」と言ってしまうのは、「このラーメンうまいから食ってみろ!」と一旦、冷凍庫で凍らせたラーメンを、みじん切りにして出す、みたいなものかも、と余計な心配をしたが、出来上がったら、いやあ、これはこれで癖になるおいしさ! 絵が面白く美しい! 好きなときに好きなだけ読める! 読んでから落語に出かけても、落語を聴いてから読んでも楽しめる! 「お楽しみ会」で、必携の本となる予感!!
・文/令丈ヒロ子さんからのメッセージ
このたび、『落語101』で、大好きな上方落語を担当させていただいて、とても嬉しかったです。実際書いてみると、江戸の言葉も関西人の私にはなかなか難しかったですが、古い上方の言葉を、いきいきと読者のみなさんに伝わるように書くのが、もう、すごく!難しかったです。
でも、落語は、先人の楽しく生きる知恵と優しさに満ちていて、この原稿を書いているだけで、めっちゃ元気になりました。
この『落語101』で、落語のあたたかーいおもしろさを感じていただけたら幸いです。
■監修
高田文夫(たかだ ふみお)
1948年、東京都生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。在学中は落語研究会に所属。卒業と同時に放送作家の道へ進み、数々の歌謡・バラエティー番組をはじめ、「オレたちひょうきん族」「ビートたけしのオールナイトニッポン」など人気番組の構成を手がける。1983年、立川談志家元の落語立川流に入門、落語家・立川藤志楼としても活動。「高田文夫のラジオビバリー昼ズ」(ニッポン放送)パーソナリティー。落語専門誌「落語ファン倶楽部」(白夜書房)編集長。お笑いライブ「我らの高田笑学校」プロデューサー。著書に『笑味期限はいつ切れる?─高田文夫の笑芸ノート』(ざぶとん亭風流企画)、「娯楽・極楽・お道楽─毎日が大衆芸能」シリーズ(中央公論新社)など、多岐にわたって活躍中。
■文
石崎洋司(いしざき ひろし)
1958年、東京都生まれ。慶応大学経済学部卒業後、出版社に勤務。10代後半から民話の採集をおこない、語り物に興味をもつ。『ハデル聖戦記』三部作(岩崎書店)でデビュー。小学生から絶大な支持を得る「黒魔女さんが通る!!」シリーズをはじめ、『チェーン・メール ずっとあなたとつながっていたい』『トーキョー・ジャンヌダルク1 追っかけ!』『そのトリック、あばきます。サエと博士の探偵日記1』「だじゃれモン次郎」シリーズ(以上講談社)、「マジカル少女レイナ」シリーズ(岩崎書店)など著書多数。選者として『こわい! 青玉』『こわい! 闇玉』(ともに講談社)、「若おかみは小学生!」シリーズとの合作に「黒魔女さん、若おかみに会いにいく」(講談社)ほか。
金原瑞人(かねはら みずひと)
1954年、岡山県生まれ。翻訳家・法政大学教授。ロバート・ウェストールの『かかし』(徳間書店)の訳で翻訳家としてスタートをきり、以後、現代小説から古典、絵本や児童書から一般書、ミステリーから評伝まで幅広く手がける。訳書に『豚の死なない日』(白水社)、「バーティミアス」シリーズ(理論社)、『青空のむこう』(求龍堂)、『ブラッカムの爆撃機』(岩波書店)、『国のない男』(NHK出版)、『ユゴーの不思議な発明』(アスペクト)など。エッセイに『翻訳家じゃなくてカレー屋になるはずだった』(牧野出版)、編著書に『12歳からの読書案内』(すばる舎)など。古典芸能にも精通し、『<あたらしい教科書>古典芸能』(監修、プチグラパブリッシング)や、落語会の企画なども精力的におこなっている。
もとしたいづみ
1960年、大分県生まれ。出版社勤務を経て、子ども向けの作品を書きはじめる。翻訳、作詞、短歌など幅広い分野で活躍するほか、落語や狂言など日本の伝統芸能全般への関心が高く、また、無声映画の弁士のもとで活弁を学ぶなど趣味を超えた活動も多岐にわたる。絵本『ふってきました』(絵/石井聖岳、講談社)で第39回講談社出版文化賞絵本賞と、第13回日本絵本賞を受賞。おもな作品に狂言えほん『ぶす』『くさびら』『しどうほうがく』『そらうで』、幼年童話「となえもんくん」シリーズ(以上講談社)、「おばけのバケロン」シリーズ(ポプラ社)、翻訳絵本『くらべっこのじかん』、絵本『どうぶつどどいつドーナッツ』(ともに鈴木出版)、『チョコレータひめ』(教育画劇)などがある。
令丈ヒロ子(れいじょう ひろこ)
1964年、大阪府生まれ。講談社児童文学新人賞に応募した作品で注目され、1990年『ぼよよんのみ』(講談社)で作家としてデビュー。「若おかみは小学生!」シリーズ(講談社)は小学生に圧倒的な人気をほこり、コミック版「若おかみは小学生!」シリーズ(講談社)も「なかよし」に不定期連載中。そのほかのおもな著書に、「スーパーキッド・Dr.リーチ」シリーズ、「ホンマに運命?」シリーズ(ともに講談社)、「レンアイ@委員」シリーズ(理論社)、「ダイエットパンチ!」シリーズ(ポプラ社)、「S力人情商店街」シリーズ(岩崎書店)、『強くてゴメンね』(あかね書房)などがある。漫才の台本を書いていたこともあり、落語・漫才・コント・バラエティー番組など、演芸全般への興味が深い。
なにから話してよいのやら……(遠い目)。企画会議で、次なる“101シリーズ”として、気軽に「落語」を挙げたのは、おととしのことだったか……(遠い目)。本当にやることになり、「興味はあるけれどなかなか聞きにいけなかったし、ちょうどいい!」と思って嬉しかったのは最初の頃。でも、そんな優雅なことでは落語の話がアタマに入らない、間に合わないと、何冊落語本を読んだろうか……(遠い目)。リスト化したのは、600弱。もう覚えていないものも多い……(遠い目)。
そーんな、ヘナチョコ担当をよそに、豪華執筆陣の立派なこと。高田さん、すばらしい序文をありがとうございました。石崎さん、金原さん、もとしたさん、令丈さん、限られた文字量の中、いっぱいいっぱいに話を面白く表現してくださってありがとうございました。絵を描いてくださった方々、いっぺんにページが楽しくなる絵をありがとうございました。ああ、早く客観的にこの本を読んで、心の底から笑いたい!
月末には店頭にならぶ予定です。落語好きの局長にも太鼓判をもらえたこの一冊、大人の方も、ぜひご一読を。
そして、11月30日には刊行記念の 親子寄席を企画しました! 落語を聞いたことのない方はもちろん、聞いたことがある方も、親子101組をご招待いたしますので、ぜひぜひご応募ください。お待ちしてます!(J)
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