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(ほろほろ鳥)6月の編集後記

いま絵本新人賞の選考が佳境を迎えていますが、新人賞に応募されるメリットは、賞を取ることだけではありません。今月刊行した『ルッキオとフリフリ 大きなスイカ』は、選からもれましたが、読んだ者に強いインパクトを与える作品でした。それがご縁となって担当者との長い「熟成期間」を経て満を持しての刊行となりました。ぜひ、本屋さんで手に取って見て頂ければ、このふしぎなインパクトを共有していただけると思います。さて、長らくご愛読いただいている『講談社 絵本通信』ですが、この形での更新は、これが最後。スマホからも見やすく、SNSやツィッターなどとも連動して大幅に、リニューアルします。今よりもっと、こまめに情報発信できるようになります。またリニューアルを記念してプレゼント企画もありますので、ぜひぜひチェックをよろしく御願いします。(ほろほろ鳥)

 
次回は2014年7月31日更新予定です。
 
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第32回講談社絵本新人賞受賞作『ぼくと おおはしくん』刊行記念 デビュー日記連載中!
生きているのがつらいと思っているきみへのメッセージ

イラスト/高島尚子

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『ルウとリンデン 旅とおるすばん』が
2009年ボローニャ国際児童図書賞(ボローニャ・ラガッツィ賞)を受賞!

ボローニャ国際児童図書賞とは、世界最大の児童書のブックフェアであるボローニャ・ブックフェアが主催する国際的な賞で、世界中からエントリーされた作品の中から、優秀な児童書出版活動を行った世界の出版社の作品に贈られます。
『ルウとリンデン 旅とおるすばん』は、フィクション部門で受賞しました! 世界中から応募が集まるこの賞に、日本の作品が受賞したのは快挙です!
『ルウとリンデン 旅とおるすばん』
クリックして下さい。本書の一部がご覧になれます。
講談社の創作絵本
『ルウとリンデン 旅とおるすばん』
◆小手鞠るい/文
◆北見葉胡/絵
◆読み聞かせ:5歳から
猫好きの人に/旅好きの人に/贈り物に/大人も読める絵本をさがしている人に
内容紹介
森をでて、世界一周の旅に出発したルウ。
やがて、森でおるすばんをしている
猫のリンデンが恋しくなって……。

恋愛小説の旗手・小手鞠るいと
人気画家・北見葉胡が贈る物語。
作者からのメッセージ
・文/小手鞠るいさんからのメッセージ

2004年くらいから、大好きな画家の北見葉胡さんとふたりで「いつか、絵本を創れたらいいねぇ」とお話を重ねてきました。でも、私はなかなか物語を完成させることができないでいたのです。そんなある日、今は亡き猫の思い出にひたっていた時のことです。可愛がっていた猫に、キャットシッターと一緒にお留守番をさせて、イタリア旅行に出かけていた私。寂しくて、寂しくて、ローマに行っても、フィレンツェに行っても、どこで何を見ても聞いても「あの子は今、どうしている? ああ、早く家にもどって、猫に会いたい」と思ってしまった……あの、まるで誰かに恋しているような気持ちをそのまま、絵本のなかで表現してみたい、と、強く思い立ちました。離れていても、心はつながっている。誰でも身に覚えのある、優しくてあたたかくてせつない思いを、ルウとリンデンに託して、全国のお母さん、お父さん、そして、みなさまの大切なお子さんに、お贈りしたいと思います。

・絵/北見葉胡さんからのメッセージ

 猫を愛する二人の出会いは私の絵本『さぼてん』を小手鞠さんが手にされたことからでした。そして「是非いっしょに女の子と猫の絵本を創りましょう」と誓い合い数年、絵本の完成を待たずに小手鞠さんの愛する家族、猫のプーちゃんは天国に召されていきました。
 亡くなった後私は、絵の資料として小手鞠さんの住む森のデータをお借りし、中に紛れてあったプーちゃんのあまりの愛らしさに涙が止まりませんでした。しかし様々な事情から、長毛種であったプーちゃんを主人公にすることは難しく、代わりにページの片隅にそっと肖像画を描きました。
 そして、プーちゃんを主役にしたかったのではと危惧しながら、完成した絵をお見せすると小手鞠さんは、プーちゃんの肖像だけでなく、リンデンや動物、背景の隅々までをも、少女のように驚嘆し感激して下さって……改めてごいっしょできたことが嬉しく、感謝の気持ちでいっぱいになりました。
著者紹介
小手鞠るい(こでまり るい)
岡山県備前市生まれ。おもな作品に、『エンキョリレンアイ』『サンカクカンケイ』『レンアイケッコン』(以上、世界文化社)、『空と海のであう場所』『猫の形をした幸福』(以上、ポプラ社)など多数。1981年に第7回サンリオ『詩とメルヘン』賞、1993年に第12回『海燕』新人文学賞、2005年に第12回島清恋愛文学賞を受賞。

北見葉胡(きたみ ようこ)
神奈川県鎌倉市生まれ。おもな作品に、絵本『タマリンとポチロー』『カノン』(以上、講談社)、『そらの木』(岩崎書店)、『リトル・レトロ・トラム』(理論社)、書籍装画に『安房直子コレクション』(偕成社)など。2004年にヨゼフ・ヴィルコン記念大分国際絵本原画展優秀賞を受賞、2005年にボローニャ国際絵本原画展入選。
担当者のうちあけ話
作者の小手鞠さんに、「はじめまして」のお手紙を書いたのは、2006年のことでした。それからしばらくして、短い文章と絵の入ったラフを見せていただき、東京とニューヨークを結ぶやりとりを何度も何度も重ねながら、できあがったのがこの作品です。北見さんが工夫をこらした二段構成の場面のうち、リンデンのいる森は、小手鞠さんの住むウッドストックの森がモデル。反面、ルウの旅する世界では、不思議でかわいいものに満ちた北見ワールドが楽しめます。そして、寂しさをがまんしてルウを送り出し、また迎えてくれるリンデンは、友であり、恋人であり、親であり、子であり……読む人によって、さまざまな存在にうつるはず。(ス)小手鞠さんの小説が好きな方にも、北見さんの絵が好きな方にも、どちらにも楽しんでもらえる作品にしたい!を合言葉に、見た目も、内容もよくばったこの絵本を、最後に素敵にまとめてくださった装幀家の丸尾さんにも、心から感謝いたします。どう〜しても最後まで担当したい! と勝手を言ってねばったこの作品、ぜひたくさんの方に読んでいただきたいと思います。(この思いをうちあけたくて青い鳥文庫編集部から飛んできたス)
関連図書
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講談社の創作絵本
『狂言えほん そらうで』
◆もとしたいづみ/文
◆たごもりのりこ/絵
◆読み聞かせ:4歳から ひとり読み:小学校低学年から
楽しい読み聞かせに/日本の伝統に触れる
内容紹介
野村萬斎氏推薦! 「狂言えほん」シリーズ第4巻。
いつも空腕(うその腕自慢)ばかり言っているけれど、
本当は臆病なたろう。主人に買い物を言いつけられて
出かけますが、暗い道で出会うものが怖く見えて……。
作者からのメッセージ
・絵/たごもりのりこさんからのメッセージ

ランドセルを忘れて学校に行くような子供でした。「突然、目の前に大男が現れ、100人もの敵が! 定規を片手に、必死に戦ったけれども、あわれランドセルは奪われてしまったのです!」な〜んて、当時の私も、空腕の一つや二つ、言えたら良かったのに。(いや、良くない。)太郎に負けず劣らず、臆病者でもある私としては、この絵本が皆様のお手元に届くまで、びくびくドキドキの日々。しかしながら、やはりこう言うでしょう。「面白いよ! 読んでね!」「嘘じゃないよ!」と、付け加えつつ。
著者紹介
もとしたいづみ
出版社勤務を経て、子ども向けの作品を書きはじめる。おもな作品に「すっぽんぽんのすけ」シリーズ(荒井良二/絵、鈴木出版)などがある。『どうぶつゆうびん』(あべ弘士/絵、講談社)で産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を、『ふってきました』(石井聖岳/絵、講談社)で講談社出版文化賞絵本賞、日本絵本賞を受賞。翻訳、作詞、短歌など幅広い分野でも活躍するほか、日本の伝統芸能全般に高い関心をもち、落語、狂言などの公演に足しげく通う。また、無声映画の弁士のもとで活弁を学んでいる。

たごもりのりこ
1972年、東京生まれ。図書館員、ちんどん屋、骨董屋をへて、イラストレーターとなる。絵本作品に「ばけばけ町」シリーズ(岩崎書店)、『ごっほんえっへん』(岩崎書店)、『おったまげたとごさくどん』(サトシン/作、鈴木出版)。挿絵の仕事に『鬼の市』(鳥野美知子/作、岩崎書店)、『ぼくんち戦争』(村上しいこ/作、ポプラ社)などがある。講談社の漫画サイト「MiChao!(ミチャオ)」では、漫画作品『姫様探偵スネコ・ヘヴィエンヌ』も発表した。
担当者のうちあけ話
「空腕」という狂言は、決してメジャーな演目ではありません。でも、「狂言えほん」の題材を探しているときに、いちばん絵本に向いていると思ったのが、この「空腕」でした。びくびくしながら山道を歩いていると、木の茂みが何者かに見えたり、(若)かと思えば、強がって作り話の武勇伝を語ったり……そんなたろうの姿は、小さな子どもにも、「あるある!」と共感できるものだと思います。有力書店の児童書担当の皆様からも、「狂言のことはよく知らないけれど、読んでみたら面白かった!」という声が多数。たごもりさんの「面白いよ!」は、ほんとに嘘じゃないですよ! (若)
関連図書
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『くまのこミンのおうち』
講談社の創作絵本
『くまのこミンのおうち』
◆あいはらひろゆき/文
◆あだちなみ/絵
◆対象年齢:3歳から ひとり読み:小学校低学年から
きょうだいの絵本/大人も読みたい絵本

講談社の創作絵本
『くまのこミンのふゆじたく』
◆あいはらひろゆき/文
◆あだちなみ/絵
◆対象年齢:3歳から ひとり読み:小学校低学年から
きょうだいの絵本/大人も読みたい絵本
内容紹介
人気の「くまのこミン」シリーズが、講談社から刊行されます! 
がんばりやのくまの女の子ミンと
ふたりのお兄ちゃんの、心あたたまるお話
作者からのメッセージ
・文/あいはらひろゆきさんからのメッセージ

「くまのこミン」のシリーズは、「おうち」がテーマです。つらいことがあったとき「おうち」に帰ってくるとほっとしたり、なんだか元気が出たりしますよね。おでかけしなくたって、お庭で不思議な冒険をしたり、地下室で友だちと出会ったり、わくわく・どきどきが「おうち」にもいっぱいあります。「おうち」ってなんだか素敵ですよね。くまのこミンはおっきいおにいちゃんのポッタ、ちっちゃいおにいちゃんのホッタといっしょに、今日もおうち生活をいっぱい楽しんでいます。ぜひ読んでみてくださいね。
著者紹介
あいはらひろゆき
宮城県仙台市生まれ。絵本作家、東京大学大学院特任研究員。主な作品に「くまのがっこう」シリーズ(ブロンズ新社)、『りんちゃんとあおくん』(ポプラ社)、『おひさまむらのこどもたち』『ラベンダー』(教育画劇)、「フラニーとメラニー」シリーズ(講談社)などがある。

あだちなみ
岐阜県多治見市生まれ。絵本作家、デザイナー。主な作品に「くまのがっこう」シリーズ(ブロンズ新社)、『りんちゃんとあおくん』(ポプラ社)、『おひさまむらのこどもたち』(教育画劇)、「フラニーメラニー」シリーズ(講談社)などがある。
担当者のうちあけ話
この絵本、どこかで見たことがある、という方も多いかもしれません。『くまのこミン』は、ソニーマガジンズから刊行されていた人気シリーズですが、(若)このたび講談社から刊行させていただく運びになりました。この後、10月に『くまのこミンのクリスマス』、来年2月には『くまのこミンのおはなばたけ』を刊行し、シリーズ4冊が揃う予定です。「小さくてかわいいもの」に目がない〈若〉は、担当になれた幸せをかみしめております。同じ作者の「フラニーとメラニー」シリーズも、かわいいですよ……。(若)
関連図書
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『ポンちゃん』
講談社の幼児えほん
『ポンちゃん』
◆オイリ・タンニネン/作
◆渡部 翠/訳
◆読み聞かせ:2歳から
初めての読みきかせ、語りかけに/赤ちゃんがぐずったとき

『ルルくん』
講談社の幼児えほん
『ルルくん』
◆オイリ・タンニネン/作
◆渡部 翠/訳
◆読み聞かせ:2歳から
初めての読みきかせ、語りかけに/赤ちゃんがぐずったとき/動物が好きな赤ちゃんに
内容紹介
『ポンちゃん』
ポンちゃんが小鳥のピコとボールなげをして遊んでいたら、ボールがどこかへ飛んでいってしまいました。さあ、困った!

『ルルくん』
ルルくんは、大きないぬ。なのにおうちが小さくてこまっています。ある日、友だちのムクちゃんに、いい考えがうかびました。
作者からのメッセージ
・作/オイリ・タンニネンさんからのメッセージ

 講談社から、日本の子どもたちのために絵本を作ってほしいというお話をいただいたとき、私はとってもわくわくしました。日本へ行ったことはありませんでしたが、本や映画、デザインを通して知った、日本の造形美が大好きで、日本のファンだったからです。自分の感覚にとても近いとも思いました。
 1960年代のロンドンで、私はたくさんの日本の子どもたちと友だちになりました。娘の学友たちです。その体験が、日本の子どもたちのための本を作るうえで、とても役立ちました。
 どの国でも、子どもたちにとって、最初に出会う本はとても重要だと思います。日本の子どもたちが私の絵本から、人を許せるひろい心、思いやり、ユーモアを得てくれることを願っています。このきびしい世の中でこそ、必要になるものですから。

・訳/渡部 翠さんからのメッセージ

作者のオイリ・タンニネンさんは1933年、庭には大輪のシャクヤクが咲きみだれ、モミや白樺がのびのびと美しい森には、花という花が、まるでもうパーティーの真っ最中といった様子の7月に、フィンランドのカレリヤに生まれました。ジャーナリストのご主人との、モスクワ、ロンドン、ワシントン等、20年以上の外国生活のなかで、ある日、愛娘に母国フィンランドの、すばらしいデザインのセンスと豊かな心が息づいた絵本を与えたくなったとか。そこで「自分で作りましょう!」と思い立たれたそうです。以来、はさみと、ロンドンで出会った日本の色紙と、ペンを手に、愛情とあたたかさとユーモアにあふれた絵本がたくさん生まれ、ほとんどの作品がトペリウス賞やルドルフ・コイヴ賞等、数々の賞に輝いています。処女作の魚釣りにでかけた猫のミーをはじめとして、今回のシリーズでお目見えした、特注・日本生まれのルルくん、ポンちゃん、ミーちゃん、チューくんも、世界中の人々に愛されています。
著者紹介
オイリ・タンニネン
1933年フィンランド・ソルタヴィラ生まれ。美術学校卒業後、陶磁器メーカーのアラビアでアーティストとして働く。1961年に最初の作品『Miiru menee kalaan』を出版し、以後、トペリウス賞、ルドルフ・コイヴ賞、アンニ・スワン賞など数々の賞を受賞。絵本では折り紙などによるコラージュ手法が特徴。フィンランドを代表する絵本作家のひとり。

渡部 翠(わたなべ みどり)
1943年中国・大連生まれ。日本フィンランド文学協会会員。フィンランド文学研究のためにたびたびフィンランドに滞在し、ヘルシンキ大学の講師経験もある。主な訳書に『それからどうなるの?』『少女ソフィアの夏』『ムーミンママのお料理の本』(以上すべて講談社)などのトーベ・ヤンソン関連書や、『羽根をなくした妖精』(晶文社)などがある。
担当者のうちあけ話
これらの作品は、タンニネンさんが30年以上も前に、日本の読者のために描き下ろしてくれたシリーズです。モスクワで暮らしていたとき、当時2歳だったお嬢さんにちょうどいい絵本がない……ということで、自分で作ってしまったのが絵本づくりのはじまりだそうです。そのときに使ったのが、なんと、日本の折り紙! それを聞いて、タンニネンさんと日本の子どもたちは、縁があったんだなぁと妙に納得してしまいました。翻訳者の渡辺翠さんは、今回、訳を見直すにあたって、シンプルでわかりやすい言葉に徹してくださり、21世紀版のタンニネン絵本ができました。(J)10月には残りの2冊『ミーちゃん』『チューくん』も出て、シリーズ4冊すべてが揃います。4冊とも、折り紙でコラージュをした作品です。もういちど、タンニネンさんのメッセージが日本の子どもたちへ届きますように!(J)
関連図書

講談社の幼児えほんシリーズ オリジナルミニバッグ応募者全員プレゼント!!
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