100万回生きたねこの部屋

『100万回生きたねこ』特別インタビュー
深田恭子さんが語った
「私がリビングに飾っている特別な絵本」2017年11月30日(木)

刊行40周年を迎えた絵本『100万回生きたねこ』。累計220万部のベストセラーだけに、各界にファンも多い。女優の深田恭子さんもその一人。ミュージカルで舞台化された際には、ヒロイン役を演じたこともあり、思い入れは深い。40周年の節目に、その魅力を尋ねてみた。

 

小さい頃から絵本を読むのが好きだったという深田さん。そのなかでも、『100万回生きたねこ』は印象に残る一冊だったという。

「最初は、子どもの頃、図書館で借りて読みました。当時は物語の深さを理解できず、ただただ不思議な気持ちになったのを覚えています。表紙の絵がちょっと怖くて、どうしてこの猫はこんな目をしているんだろう、どんな想いを抱えたら、こういう顔になるんだろう、って」

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『100万回生きたねこ』は、主人公のとらねこが何度も生まれ変わるというストーリー。あるときは王様に飼われたり、あるときは泥棒に飼われたりと、さまざまな飼い主に愛されたながら、生まれ変わってきた。

何回生きようが、とらねこは、どんな飼い主も好きにならなかった。ところが、誰にも飼育されていない「のらねこ」になり、うつくしい「白いねこ」に出会ったとき、とらねこの心が初めて動く

「きっと巡りあわせなんだろうな、と思います。どれだけ相手のことが大好きでも、相手が自分のことを好きでなかったら、そこに愛は成立しない。もちろん一方的に想いを注ぐ愛もあるとは思うけど、それはどちらかというと、自分の幸せを願っているだけのような気がしています」

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どんな愛に満ちた行為も、相手がそう受け取れなければ愛ではない、と深田さんは『100万回生きたねこ』から思い至った。

「そう考えると、私はまだ本当の愛の形を知らない気がします。永遠に知ることができないかもしれない。きっと、いつまでも、探り続けていくものなのだと思います」

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深田さんは、2015年、東京芸術劇場で、ミュージカル『100万回生きたねこ』の舞台に立った。初舞台にして初主演。演じたのは、美しき「白いねこ」だ。
舞台版では、「100万回も死んだんだぜ」と威張るとらねこに、「100万回死んだの? じゃあ生きたのは?」と、白いねこが返すシーンがある。深田さんは、この台詞が今も強く記憶に残っているという。

「生きるとは、やり直しがきかないこと、です。とらねこのように何回も人生をくりかえせればいいけど、実際はそうもいかない」

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平易な言葉で綴られる短い物語のなかに、たくさんの哲学が詰まった絵本。深田さんは、今も家のリビングに飾り、折に触れて読み返しているという。

「私は、誰にどう思われてもいいやって開き直れないタイプなんです。だから、とらねこみたいに、自分以外はみんな嫌いだって、堂々としている人が羨ましい。私は考えすぎて自分の気持ちさえ、わからなくなってしまうことも多いから、とらねこのように、まず行動に移せる人は、潔くて憧れます」

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最後に、『100万回生きたねこ』にメッセージを添えて贈るとしたら、誰に贈るか?と尋ねたら、長い時間悩んだあと、こう答えた。

「押し売りできない重さのある物語だから、気軽にプレゼントはできません。私の言葉を添えたことで、その人がまっさらな気持ちで読めなくなるのは申し訳ないですし。贈るなら、感じたことを一緒にわかちあいたいです」

「でも、その人がどんな状態にあっても、その時に必要なかたちで寄り添ってくれる作品だと思います。私自身、ずっと大事に持っていたい絵本ですね」

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深田恭子(ふかだ・きょうこ)●1982年、東京都生まれ。97年、ドラマ『FiVE』で女優デビュー。代表作にドラマ『ダメな私に恋してください』、大河ドラマ『平清盛』、映画『下妻物語』『ヤッターマン』『超高速!参勤交代』シリーズなど多数。2018年、映画『空飛ぶタイヤ』出演予定。ドラマ『隣の家族は青く見える』(フジテレビ木曜22時)1月スタート。
Instagram @kyokofukada_official

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