おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバイス 第3回 よみきかせポイント『ふってきました』『おっとっと』『ともだち』

新連載 おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバイス

講談社では日本全国、津々浦々に絵本を積んだバスで訪問し、読みきかせする、「全国訪問おはなし隊」という活動をおこなっています。
訪問県では、読みきかせをしてくれるボランティアの方と事前に学習会をしています。
この連載は、その学習会のもようをお知らせしつつ、読みきかせのワンポイントアドバイスをお蔵だしいたします。実物の本を見ながら読んでいただくと、よりよくわかると思います。
ぜひ、身近なところでお話し会をされる方や、保育園、幼稚園、小学校などにいって読みきかせボランティアをされるときなどの参考にしてくださいね。


第3回
話/全国訪問おはなし隊 渡辺裕己子

★「おはなし隊」では、全国の子どもたちに、グループでの読み聞かせを連日行っています。読んでみると、子どもたちの反応から思わぬ発見をすることも。
 子どもたちは「絵を読む」といわれています。ストーリーを楽しむだけでなく、ちょっと絵本を離して「絵をじっくり鑑賞」してみましょう。


 最初のテキストは、これ

『ふってきました』
『ふってきました』
(もとしたいづみ/文 石井聖岳/絵 講談社)

 雨がふりそうな一日、つるこちゃんがお花をつんでいると、ドギモを抜くような、思いがけないものが空から降ってきます! 最初に降ってきたワニさんのページから、爆笑が起こります。ゾウ、ライオン、シマウマにパンダ、そして最後は・・・・・・?
 ユーモアたっぷりで、子どもが何度も読みたくなる絵本です。

この絵本のポイントは、
ひとつの絵の中に描かれた「小さな存在」に気づくこと。
じつは、表紙から、最後のページまで、主人公のつるこちゃんが、リボンでつないだ緑のカメが登場しています。時には本当に小さく、ページの隅で転がってるページもありますが、しっかり存在感があるのです。
 読んであげている途中から、前の席の子どもたちはしっかり気づいてくれています。もちろん、読み聞かせの後の自由読書で発見する子どもたちも。

 子どもに指摘されてから「ドッキリ!」なんてことのないように、よく下読みすることが大事ですね。



 次のテキストは、こちら。

『おっとっと』
『おっとっと』
(木坂涼/文 高畠純/絵 講談社)

 犬の父さんの忙しい一日でおこる「おっとっと」。そして、いろいろな動物たちの「おっとっと」が交互に登場する絵本です。
 
この絵本のポイントは、
読む前に子どもたちに「『おっとっと』ってどんな時につかう言葉か知ってる?」と尋ねておくこと。
 こうすると、子供たちの興味がいっそうひろがります。「お酒をこぼさないようになみなみとつぐとき」だけでなく(笑)、「落っこちそうになったとき」、「転びそうになったとき」、「ウインナーをつかみそこなったとき」……。おはなしの中にもいっぱい出てきます。
 言葉に興味をもって聞いてもらうと、よりおはなしが理解できます。また、場面が交互に変わるので、数ページ読むと面白さで引き込まれていきます。年齢層が低いグループのときには、こんなひと工夫で反応がぜんぜん違ってくるんですね。

 そして、この絵本でも、カバのシーンでは背中から落ちる小さな青虫くんに、子どもたちの視線が集まります。ゆっくりと、しっかりと見せてあげてください。



 最後のテキストは、小学生のおはなし会で人気の一冊。

『ともだち』
『ともだち』
(太田大八/作・絵 講談社)


 小学生のやまぐちくんが、個性豊かなクラスメートを紹介します。けんかがつよいのは? 絵がうまいのは? そして、20年後、どんな大人になったのか。夢があって、大人も懐かしくて楽しくなる絵本です。子どもたちの未来を想像しながら、心をこめて読んであげています。

ポイントは、
読むスピードでリアル感と、時間の経過を表現すること。
 みうらけいこちゃんは算数の天才。黒板の前で、先生の書いた6ケタの暗算も楽々こなします。テキストにはありませんが、絵のなかの数字を、ちょっと早口で読んであげると、腕前をもっとリアルに感じるかも。
 そして、8人のクラスメートが登場すると、その20年後のおはなしが始まります。時間の変遷を感じさせるよう、「あれから 20年……」のフレーズをゆっくり、たっぷり読むのがコツです。
 20年後、かわいこちゃんだった、まきちゃんのお店でコーヒーを飲んでいるページの横顔が、「ぼく」。クラスでいちばんちいさかった「ぼく やまぐちよしはる」は、いったいどんな青年になったのか。興味津々のクライマックスです! 
バックナンバー
第13回 上野の森読み聞かせイベント大盛況でした!
第12回 「おはなし会をやってみよう!」vol.3
第11回 おはなし隊に、女優の茉奈・佳奈さん登場!
第10回 「おはなし会をやってみよう!」vol.2
第9回 「おはなし会をやってみよう!」vol.1
第8回 「2011年ブレイクした絵本―年齢別―」
第7回 「マジマジさんのマジック教室」
第6回 編集(エ)の「おななし隊」体験記2
第5回 編集(エ)の「おななし隊」体験記1
第4回 おはなし隊・坂口慶隊長より
第3回 よみきかせポイント『振ってきました』『おっとっと』『ともだち』
第2回 よみきかせポイント『ねえ、あそぼ! 2さいのパンダちゃん』『りんごが コロコロ コロリンコ』
第1回 よみきかせポイント『ころころパンダ』『ゆらゆらパンダ』『ショコラちゃんの あいうえお』『ダレ・ダレ・ダレダ』

おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバンス 「読みきかせ会」を主催されている方、また開いてみたい方必読の情報! おはなし隊が「読みきかせ」の秘訣をお教えいたします。

おやすみなさいの絵本

  • ゆうくんの くまパジャマ

    ゆうくんの くまパジャマ

    中谷靖彦/絵
    カザ敬子/作

    ある日、ゆうくんに、素敵な「くまパジャマ」が届きました。さっそく着がえたゆうくんは、「ぼく、くまだぞー」とおおはしゃぎ。ところが、その後、ゆうくんに不思議なことがおこります。心温まる、おやすみ絵本の新定番。

  • ねんねん どっち?

    ねんねん どっち?

    宮野聡子/作

    どっち? という楽しい質問につぎつぎ答えていくうちに、自然に眠りの世界へといざなっていきます。おやすみ前のひととき、「どっちあそび」で親子の豊かな時間をすごしませんか?

  • ねんね

    ねんね

    さこももみ/作

    「おばけがこわくてねむれない。」というまみちゃん。だいじょうぶ、おばけもママといっしょにねんねしちゃったよ。安心しておやすみ。かわいい寝かしつけの絵本です。

  • ゆっくり おやすみ にじいろの さかな

    ゆっくり おやすみ にじいろの さかな

    マーカス・フィスター/作
    谷川俊太郎/訳

    眠れないにじうおは、こわいことばかり考えてしまいます。親子の愛情を感じさせる一冊。手に取りやすいミニサイズの年少版もおすすめです。

  • 0・1・2さいのすこやかねんねのふわふわえほん

    0・1・2さいのすこやかねんねのふわふわえほん

    前橋明/監修

    おふとんみたいに表紙がふわふわ! しぜんに生活リズムが身につき、気持ちのよい眠りへとみちびく、心とからだが安心するおはなしいっぱい!
    親子のふれあいを生む、ねんねのうたとおはなし決定版!

  • おやすみなさいの おと

    おやすみなさいの おと

    いりやまさとし/作

    おやすみなさいの時間です。でも、あらいぐまの子どもたちは、外からきこえてくる音が気になって眠れません。心安らぐ、静かでやさしい寝かしつけの絵本。

  • おやすみ ぞうちゃん

    おやすみ ぞうちゃん

    三浦太郎/作

    ぞうちゃんは、泣いたり笑ったり、おおいそがし。おやすみまでの一日を、ユーモアたっぷり、愛情豊かに描きます。シリーズ第3弾。

  • おやすみ のらちゃん

    おやすみ のらちゃん

    よねづゆうすけ/作

    猫ののらちゃんは、そろそろねるじかん。 きがえは? トイレは? はみがきは? おやすみ前にぴったりの、とっておき仕掛け絵本。

あかちゃん絵本