おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバイス 第9回 「おはなし会をやってみよう!」vol.1

新連載 おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバイス

講談社では日本全国、津々浦々に絵本を積んだバスで訪問し、読みきかせする、「全国訪問おはなし隊」という活動をおこなっています。
この連載は、その読みきかせのもようをお知らせしつつ、読みきかせのワンポイントアドバイスをお蔵だしいたします。実物の本を見ながら読んでいただくと、よりよくわかると思います。
ぜひ、身近なところでお話し会をされる方や、保育園、幼稚園、小学校などにいって読みきかせボランティアをされるときなどの参考にしてくださいね。
第9回 「おはなし会をやってみよう!」vol.1

話/全国訪問おはなし隊 渡辺裕己子

 これまで、ワンポイントアドバイスではおはなし隊の様子や絵本の読み方などをご紹介してきました。今回のトピックは、実際に「おはなし会」を開くといったときに役立つポイントです。大人も子どもも楽しめるおはなし会――これを機に、あなたもぜひやってみませんか?

 親子で絵本を読み聞かせ……おひざの上で絵本を読んでもらう時間は、子どもたちにとっても至福の時間です。お母さんやお父さんのやさしい声で読んでもらう大好きな絵本を、子どものペースで自由にページを繰ったり、お気に入りのシーンを何度も繰り返したり。
 これに比べて複数、とくに大勢の子どもたちに、一同に絵本を楽しんでもらう「読み聞かせ」には、ちょっとした工夫と準備が必要です。
 年間1100の会場を訪問する「おはなし隊」では、幼稚園や小学校をはじめとした、たくさんの子どもたちに絵本の読み聞かせを行っています。隊長さんたちが心がけている、集団の子どもたちへの「おはなし会」の基本をおさらいしましょう。

――まずは会場づくりから
おはなし会を聞いてもらうには、落ち着いた環境を心がけたいもの。子どもたちが集中できる、会場づくりを準備しましょう。

(1)お教室、ホール、体育館など、「おはなし会」の会場は、現地の状況によってまちまちです。広すぎたり、天井の高いところ(体育館等)は声が反響して、聞きとりづらくなります。

(2)読み手の背景には、動くものがないこと。うしろを人が横切ったり、廊下に面していたりすると、どうしても気になります。また、つい飾りつけをしたくなりますが、せっかくの絵本が引き立ちません。「おはなし隊」では、簡単な黒色の幕をはって、舞台の雰囲気をかもしだしています。


背景と、前のテーブルにも黒い幕をはります

(3)子どもたちの座り方は、できれば床に直接座ってもらうのがいちばん落ち着きます。とくに小さな子どもたちの場合には、イスに座ると「見えない!」コールで、混乱することも……。
座る形は、読み手を頂点とした扇型が理想的です。前から横に広がりすぎると、絵本が見づらくなります。

(4)子どもたちの座った状態に合わせて、読み手がスタンバイします。イスに座るか、立って読むかを決めましょう。あまり絵本の位置が高すぎると、前のほうの子どもの首が上がってしまいますし、逆に低すぎると、後ろの子どもたちが立ち上がってしまいます。


座ったとき、小さい本の場合は少し掲げるように読みます


立ったときは肩口くらいがちょうどいいようですね

(5)はじまる前に、いちばん後ろの子どもまで、絵が見えるかどうか、声が聞こえているかどうか、声をかけて必ずチェックしましょう。
 照明や陽射しによって、逆光になっていないか注意します。絵本の紙質によって、反射して見づらいこともありますので、絵本をもつ角度も調整しましょう。

(6)主役は絵本と子どもたちです。読み手は絵本を伝える黒子(くろこ)です。あまり過美なスタイルは、読み手に気をとられてしまうかも……。「おはなし隊」では、読み手の方のユニフォームとして赤のエプロンをつけてもらっています。

――絵本の準備へ
 さあ、会場が整ったら、いよいよ絵本の準備です。もちろん、これは事前に入念な準備が必要です。おはなし隊では約30分を目安に、3〜4冊を読めるよう組み立てます。
 グループで聞くおはなし会に向く絵本、どんな絵本を選んだらよいのでしょうか? 次回はこのポイントについて、お話しします!
バックナンバー
第13回 上野の森読み聞かせイベント大盛況でした!
第12回 「おはなし会をやってみよう!」vol.3
第11回 おはなし隊に、女優の茉奈・佳奈さん登場!
第10回 「おはなし会をやってみよう!」vol.2
第9回 「おはなし会をやってみよう!」vol.1
第8回 「2011年ブレイクした絵本―年齢別―」
第7回 「マジマジさんのマジック教室」
第6回 編集(エ)の「おななし隊」体験記2
第5回 編集(エ)の「おななし隊」体験記1
第4回 おはなし隊・坂口慶隊長より
第3回 よみきかせポイント『振ってきました』『おっとっと』『ともだち』
第2回 よみきかせポイント『ねえ、あそぼ! 2さいのパンダちゃん』『りんごが コロコロ コロリンコ』
第1回 よみきかせポイント『ころころパンダ』『ゆらゆらパンダ』『ショコラちゃんの あいうえお』『ダレ・ダレ・ダレダ』

おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバンス 「読みきかせ会」を主催されている方、また開いてみたい方必読の情報! おはなし隊が「読みきかせ」の秘訣をお教えいたします。

おやすみなさいの絵本

  • ゆうくんの くまパジャマ

    ゆうくんの くまパジャマ

    中谷靖彦/絵
    カザ敬子/作

    ある日、ゆうくんに、素敵な「くまパジャマ」が届きました。さっそく着がえたゆうくんは、「ぼく、くまだぞー」とおおはしゃぎ。ところが、その後、ゆうくんに不思議なことがおこります。心温まる、おやすみ絵本の新定番。

  • ねんねん どっち?

    ねんねん どっち?

    宮野聡子/作

    どっち? という楽しい質問につぎつぎ答えていくうちに、自然に眠りの世界へといざなっていきます。おやすみ前のひととき、「どっちあそび」で親子の豊かな時間をすごしませんか?

  • ねんね

    ねんね

    さこももみ/作

    「おばけがこわくてねむれない。」というまみちゃん。だいじょうぶ、おばけもママといっしょにねんねしちゃったよ。安心しておやすみ。かわいい寝かしつけの絵本です。

  • ゆっくり おやすみ にじいろの さかな

    ゆっくり おやすみ にじいろの さかな

    マーカス・フィスター/作
    谷川俊太郎/訳

    眠れないにじうおは、こわいことばかり考えてしまいます。親子の愛情を感じさせる一冊。手に取りやすいミニサイズの年少版もおすすめです。

  • 0・1・2さいのすこやかねんねのふわふわえほん

    0・1・2さいのすこやかねんねのふわふわえほん

    前橋明/監修

    おふとんみたいに表紙がふわふわ! しぜんに生活リズムが身につき、気持ちのよい眠りへとみちびく、心とからだが安心するおはなしいっぱい!
    親子のふれあいを生む、ねんねのうたとおはなし決定版!

  • おやすみなさいの おと

    おやすみなさいの おと

    いりやまさとし/作

    おやすみなさいの時間です。でも、あらいぐまの子どもたちは、外からきこえてくる音が気になって眠れません。心安らぐ、静かでやさしい寝かしつけの絵本。

  • おやすみ ぞうちゃん

    おやすみ ぞうちゃん

    三浦太郎/作

    ぞうちゃんは、泣いたり笑ったり、おおいそがし。おやすみまでの一日を、ユーモアたっぷり、愛情豊かに描きます。シリーズ第3弾。

  • おやすみ のらちゃん

    おやすみ のらちゃん

    よねづゆうすけ/作

    猫ののらちゃんは、そろそろねるじかん。 きがえは? トイレは? はみがきは? おやすみ前にぴったりの、とっておき仕掛け絵本。

あかちゃん絵本