おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバイス 第4回 おはなし隊・坂口慶隊長より

新連載 おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバイス

講談社では日本全国、津々浦々に絵本を積んだバスで訪問し、読みきかせする、「全国訪問おはなし隊」という活動をおこなっています。
訪問県では、読みきかせをしてくれるボランティアの方と事前に学習会をしています。
この連載は、その学習会のもようをお知らせしつつ、読みきかせのワンポイントアドバイスをお蔵だしいたします。実物の本を見ながら読んでいただくと、よりよくわかると思います。
ぜひ、身近なところでお話し会をされる方や、保育園、幼稚園、小学校などにいって読みきかせボランティアをされるときなどの参考にしてくださいね。


第4回
話/全国訪問おはなし隊 坂口慶

★第4回目は、坂口慶隊長の登場です。今年でおはなし隊の隊長5年目のベテランですが、男性ならではの読み手として、試行錯誤もあったようです。そのなかで体得したポイントと、読み聞かせの魅力について聞きました。

『くさをはむ』
『くさをはむ』
(おくはらゆめ/作 講談社)

しまうまのほのぼのした一日をのぞきこむような絵本。なんとも言えず愛らしくシマウマ達と過ぎていく時間。草の匂いがただよってきそうな一冊です。





 ステキな時間をプレゼントできる、読み聞かせ
 僕が読み聞かせのさいに一番大事にしているのは、とにかく子供たちに心地よく絵を見てもらうことです。絵本には、「いつまでも見ていたい」と思うような絵がいっぱい詰まっています。絵本を通じて、これまでに知らなかった体験をすることもできます。読み聞かせをすると、そんな時間をプレゼントできるんです。
 子供たちの目線を見ながら、子供たちの気持ちの状況や雰囲気を感じます。絵本のなかに自然に入っていけるかどうか、そのために僕がふだん気をつけていることをお話しましょう。

 キャラクターを演じない
 僕は元々個人的に「きかせ屋。けいたろう」として、6年前に路上で読みきかせを始めました。読む前にはギターを弾いたり、挨拶をしたり、パフォーマンスをします。ただ、いざ絵本をひらくと、読み方は普通というか自然なので、驚かれることもあります。
「あまり派手な声色は使わないほうがいい」と気づいたのは、以前、『だいくとおにろく』を読んだときです。キャラクターになりきろうとして、おにのセリフのところを、怖い声を使ってすごみました。男だから、声の太さなども活せると思って。すると、子供たちは絵本の絵じゃなくて、自分を見ていたんです。「面白いお兄ちゃんだな〜」って感じで。これは、読み聞かせとして失敗でした。自然な声色をつかったほうが、子供たちは絵本に入り込めるんですね。今は、子供たちの視線が、絵本に向いているか、自分に向いていないか、この点をボーダーラインとして気をつけています。(※乳児は、読み手を見て楽しむことも多いです。)

『タップのゆめ』
『タップのゆめ』
(アンマサコ/作 講談社)

本当にいつまでも見ていたくなるような画ですね。これから何か始まりそうなドキドキ感で溢れていて大好きです。
 自分が読んで楽しいものを選ぶ
 僕は1回の読み聞かせで5〜6冊の絵本を読むこともありますが、その本は自分が一緒に楽しめるか、共感したいと思う絵本を選びます。自分が心から楽しいと思って読むと、自然と子供たちにも楽しい気持ちが伝わるからです。そのうえで、子供たちの雰囲気を見て、緊張したら、たとえば、掛け合いをしたらいいかな、ということで、しかけ絵本を選んだりします。

 絵本って、漢字で[糸][会][本]と書きますね。つまり、会うことを糸(むす)んでくれる本、なんですよ。読み聞かせを始める前は、読み手も聞き手も初対面なのでとても緊張しています。でも、一緒に絵本の世界に入って、手をたたいたり声をだしたりする。すると、不思議な一体感が生まれます。だから、読み終わると、聞き手だけでなく、絵本にも「ありがとう」って、拍手を送るんです。
 
坂口隊長のソロ活動の詳細はこちらからご覧ください
「きかせ屋。けいたろう」ホームページ http://kikaseya.jp
バックナンバー
第13回 上野の森読み聞かせイベント大盛況でした!
第12回 「おはなし会をやってみよう!」vol.3
第11回 おはなし隊に、女優の茉奈・佳奈さん登場!
第10回 「おはなし会をやってみよう!」vol.2
第9回 「おはなし会をやってみよう!」vol.1
第8回 「2011年ブレイクした絵本―年齢別―」
第7回 「マジマジさんのマジック教室」
第6回 編集(エ)の「おななし隊」体験記2
第5回 編集(エ)の「おななし隊」体験記1
第4回 おはなし隊・坂口慶隊長より
第3回 よみきかせポイント『振ってきました』『おっとっと』『ともだち』
第2回 よみきかせポイント『ねえ、あそぼ! 2さいのパンダちゃん』『りんごが コロコロ コロリンコ』
第1回 よみきかせポイント『ころころパンダ』『ゆらゆらパンダ』『ショコラちゃんの あいうえお』『ダレ・ダレ・ダレダ』

おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバンス 「読みきかせ会」を主催されている方、また開いてみたい方必読の情報! おはなし隊が「読みきかせ」の秘訣をお教えいたします。

犬が活躍する本

  • おっとっと

    おっとっと

    木坂 涼/文
    高畠 純/絵

    いぬのとうさん、おっとっと
    どうぶつたちも、おっとっと
    ハラハラドキドキ「おっとっと」な場面をユーモアいっぱいに描く絵本
    よみきかせにぴったり!!

  • アントワネット わたしのたいせつなさがしもの

    アントワネット わたしのたいせつなさがしもの

    ケリー・ディプッチオ/文
    クリスチャン・ロビンソン/絵
    木坂 涼/訳

    ブルドッグ一家のアントワネットには3匹の兄弟がいます。ロッキーはかしこくて、リッキーは足がはやくて、ブルーノは力持ち。でも、アントワネットは、じぶんの得意なことがわかりません。あるとき、なかよしのガストン一家のウッラッラーが、ゆくえふめいになりました。必死で探そうとしたそのとき、アントワネットに、なにかがひらめきました……!

  • ガストン

    ガストン

    ケリー・ディプッチオ/文
    クリスチャン・ロビンソン /絵
    木坂 涼/訳

    犬のガストンは、ちょっぴりきょうだいとちがっています。だけどみんな、とってもなかよし。ある日、公園で、ガストンにそっくりな家族に出会って……。全米で数々のベストブックに選ばれた、家族のありかたや、「自分」という個性を考えるきっかけになる絵本。

  • あ~っ!

    あ~っ!

    カンタン・グレバン/作

    どうしてこうなるの!?
    文字のない世界がイメージの翼を広げる、サン=テグジュペリ賞受賞のカンタン・グレバンの大傑作!

  • よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん

    よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん

    石崎洋司/文
    松成真理子/絵

    ある日、おばあさんは川で立派な箱に入った子犬を拾います。シロと名づけ、かわいがるうちに、シロは「おじいさん、わたしにのっておくれ」と話します。
    山でシロは「ここほれ、わんわん」 すると、大判小判がたくさん!
    それを見ていた隣のなまけ者のおじいさんがシロを借りていき、山へおいたてます。
    シロがなにも言わないのに、掘ってみると! 

  • いとしの犬 ハチ

    いとしの犬 ハチ

    いもとようこ/作・絵

    今日こそ帰ってくると信じて、雨の日も雪の日も、駅で先生を待ちつづけた秋田犬、ハチ。
    いもとようこのあたたかい絵とともに、世代をこえて伝えたい感動の実話です。

季節の絵本