第38回講談社絵本新人賞受賞 
はまぎしかなえの制作日記
第4回「ピアノの旅に没入!」

みなさまこんにちは。
新学期も始まり、暖かい日が多くなってきましたね。
私も今春から新社会人になり、毎日早起きすることにようやく体が慣れてきました。

加えて先日は近所にお花見に行ってきました!
少し時期が早く、ほとんどつぼみだったのですが、会場には屋台が出ていてとても賑やかで楽しかったです。




……さて、前回の日記、

私は書きました。


次回は「本描きが終わった」お知らせをする、と……


おわ…………


……………ってません!! 泣(4/17現在)


制作日記は全6回なのに、もう第4回……
のんびり花見をしている場合じゃない!

まだ表紙と見返しの作業が残っているので、この制作日記が掲載される頃(5月頭)までには原画を完成したいところです。

(春から新生活で作業環境も新しくなったのですが、すでにかなり汚れてます)


さて今回は絵作りについて少しお話ししたいと思います。


私が今作で一番やりたかったことは「ピアノを弾いている時の没入感」を描く、ということです。

ピアノを弾く時は、たくさんのことに影響されて、脳裏に風景やストーリーが浮かんできます。
例えばタイトルや歌詞、メロディや曲調(私は長調と短調くらいしか分からないのですが)などの影響が強いです。
これらに加えて、ピアノは自分で音の強さや速さを調節できるので、より自分の好きなシーンを強調して弾くことができます。
そういう風に弾いていると、自分が曲の中の世界に行ってしまったような気分になる時があって、とても気持ち良くなれるのです。(映画を見てるみたいな感じですネ!)

その気持ち良さを読んでくれた人にも擬似的に体験してもらいたい、という思いから上記の「没入感」というテーマを設定しました。

このテーマを表わすため「ピアノ」では、部屋に居ながらにしておじいさんが様々な場所に旅してしまうシーンがあります。

(前回紹介したパステルで描いてます。パステルは手軽にかけるという利点もありますが、大きな面を塗りつぶすのはかなりつらい! 私は筆圧が高いので、肩がとてもこります。あとパステルもすごい速さで減っていきます。トホホ……)


例えばこのページは、おじいさんが「星空の曲」を弾いたときのイメージです。
星空の曲を弾いているところを想像すると「広い空間」「頭上から降ってくる」「包まれる」といったイメージが浮かびます。

これをピアノを弾いている室内で感じるとしたらどのように映るか、ということを次に考えます。

星空を想像したら自然と上をみるよなぁ… 上についてて、かつ星空を連想するようなものってなんだろう……

あれこれ考えていたら「そうだ!カーテンがある!」と思いつきました。
「星空」→「頭上」「広大」「包む」→「カーテン」という流れです。

こうして、おじいさんがカーテンの夜空に包まれるシーンができました。
この考え方でできたシーンが他にもたくさんあります。


ピアノを弾く楽しみは人によって様々にあると思いますが、私にとってはこのような想像をさせてくれるところが一番楽しい部分です。



さあ、来月はどうなっているのでしょう。
追い込まれたときこそ、初心を思い出しながら楽しんで描きたいですね。

ドキドキの次回につづく!

はまぎしかなえ
1992年生まれ。京都市立芸術大学美術学科ビジュアルデザイン専攻卒業。
京都市立芸術大学大学院美術研究科ビジュアルデザイン修了。
2014年9月個展「いきもののすがた」開催(gallery shop collage) 

講談社 絵本新人賞 募集要項 講談社 絵本新人賞 経過と報告 講談社 絵本新人賞 Q&A 講談社 絵本新人賞 既刊

犬が活躍する本

  • おっとっと

    おっとっと

    木坂 涼/文
    高畠 純/絵

    いぬのとうさん、おっとっと
    どうぶつたちも、おっとっと
    ハラハラドキドキ「おっとっと」な場面をユーモアいっぱいに描く絵本
    よみきかせにぴったり!!

  • アントワネット わたしのたいせつなさがしもの

    アントワネット わたしのたいせつなさがしもの

    ケリー・ディプッチオ/文
    クリスチャン・ロビンソン/絵
    木坂 涼/訳

    ブルドッグ一家のアントワネットには3匹の兄弟がいます。ロッキーはかしこくて、リッキーは足がはやくて、ブルーノは力持ち。でも、アントワネットは、じぶんの得意なことがわかりません。あるとき、なかよしのガストン一家のウッラッラーが、ゆくえふめいになりました。必死で探そうとしたそのとき、アントワネットに、なにかがひらめきました……!

  • ガストン

    ガストン

    ケリー・ディプッチオ/文
    クリスチャン・ロビンソン /絵
    木坂 涼/訳

    犬のガストンは、ちょっぴりきょうだいとちがっています。だけどみんな、とってもなかよし。ある日、公園で、ガストンにそっくりな家族に出会って……。全米で数々のベストブックに選ばれた、家族のありかたや、「自分」という個性を考えるきっかけになる絵本。

  • あ~っ!

    あ~っ!

    カンタン・グレバン/作

    どうしてこうなるの!?
    文字のない世界がイメージの翼を広げる、サン=テグジュペリ賞受賞のカンタン・グレバンの大傑作!

  • よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん

    よみきかせ日本昔話 はなさかじいさん

    石崎洋司/文
    松成真理子/絵

    ある日、おばあさんは川で立派な箱に入った子犬を拾います。シロと名づけ、かわいがるうちに、シロは「おじいさん、わたしにのっておくれ」と話します。
    山でシロは「ここほれ、わんわん」 すると、大判小判がたくさん!
    それを見ていた隣のなまけ者のおじいさんがシロを借りていき、山へおいたてます。
    シロがなにも言わないのに、掘ってみると! 

  • いとしの犬 ハチ

    いとしの犬 ハチ

    いもとようこ/作・絵

    今日こそ帰ってくると信じて、雨の日も雪の日も、駅で先生を待ちつづけた秋田犬、ハチ。
    いもとようこのあたたかい絵とともに、世代をこえて伝えたい感動の実話です。

講談社新人賞 既刊

講談社絵本新人賞 既刊一覧を見る