第39回講談社絵本新人賞受賞 
はっとりひろきの制作日記
第3回「原画が完成しました。」

 皆さまこんにちは、はっとり ひろきです。今回の制作日記は、原画が完成した様子や、描き文字と見返しについて、お話ししたいと思います。

 前回の制作日記を書いてからも、原画を描き続ける怒涛の日々が続きました。僕のわがままで、全ての原画の描き直しをさせて頂いていたので、まずは新人賞に提出した時の原画に負けていないか、そして自分の絵になっているのかを1枚1枚比較しながら描きました。余裕のあるスケジュールで進めていたのですが、絵を描いていると没頭してしまって、時間はあっという間に過ぎます。とにかく提出期限は必ず守れるようにと、日々、カレンダーとにらめっこしながらの作業でした。

 そして、本文の原画は、提出期限の2日前にようやく完成しました。その後、塗り残し等がないだろうかと再度確認したあと、明日の郵送で間に合うと思い、夕暮れどきにひと休みして天気予報を見ていました。すると、東京は雪が積もっているらしいのです。雪が降ったら大変だろうなあ。車も電車も厳しいなあ。うんうん。大渋滞だし荷物も届かないな。東京が雪ねえ…。そうかそうか…。届かない、届かない…。


 届かないー!


「明日の郵送じゃ原画が届かないかも―!」

ということで、そこからあわてて梱包しました。濡れないように、外からもテープでぐるぐる巻きにして、雪がちらつく中、その日のうちになんとか宅急便にすべり込みセーフで発送しました。次の日はちょうど、(シ)さんと 電話で打ち合わせの日。
無事に原画が届いたと聞いて、ほっとしました。


 それまで並行して進めていた表紙のラフも、ゴーサインが出て、それと共に描き文字と見返しも描く事になりました。描き文字というのは、絵本の中の手書きの文字の事です。僕は、これを自分が描くものとは思っていなかったので、びっくりしました。
ひとつの文をいろんなパターンで画用紙に描きました。これもまた楽しい作業でした。何種類もあったのですが、その中の1枚がこんな感じです。(梱包前にパチリ)


 そして、またまたびっくりしたことが、見返しに使用するイラストです。以前、表紙のラフ案を何種類か出した中に、僕が趣味で描いている一風変わったイラストも入れていたのですが、(シ)さんに、それを気に入っていただいて、見返しに模様のようにして使いましょうと提案してくれたのです。実際に原画として提出したものは、あらためて描いたものですが、公園をイメージして、とにかく自由に描かせてもらいました。僕は、学校の美術の授業以来、特別どこかで絵を習った経験はありません。ただ小さい頃から絵を描くのが好きで、その延長線上にいるだけの感覚なのです。そのため、専門的な描き方はわかりませんが、自分の感覚が心地よい絵を描きたいのです。見返しに使ってもらえる絵もそのひとつで、遊び心満載で楽しく描きました。見返しということで、フルカラーとはいきませんが、どのようになるのかとても楽しみです。本ができあがったら、チェックしてみてくださいね。こんな機会をあたえて頂いて心の底から感謝の気持ちでいっぱいです。(シ)さんありがとうございます。


 そして1月末ごろには表紙の原画も無事に出来あがり、原画を描く作業はひとまず終わりました。描き文字や見返しとともに送りだした時、自分から巣立っていったような、そんな気持ちになりました。次回の打ち合わせの時には、印刷された姿が見られるということなので、またドキドキしながら、その日を待ちたいと思います。そして、この制作日記でも、その様子をお伝えしたいと思います。


今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

講談社 絵本新人賞 募集要項 講談社 絵本新人賞 経過と報告 講談社 絵本新人賞 Q&A 講談社 絵本新人賞 既刊

おすすめの絵本

  • おぞうにくらべ

    おぞうにくらべ

    宮野聡子/作

    <行事と食べもののよみきかせ絵本>
    お正月、おばあちゃんの家へ行ったきみちゃんは、いろいろなお雑煮にであいました。野菜がいっぱいのお雑煮、しょうゆ味のお雑煮、魚が入っているお雑煮……。どの家にも、受け継がれてきた大切な味があったのです。

  • おもちのきもち

    おもちのきもち

    加岳井広/作

    第27回講談社絵本新人賞受賞作

    「もう、たいへんなんです」
    お正月、“かがみもち”は、とある決心を……。
    お年賀にどうぞ。(編集部より)

  • じゅうにしの おはなしめいろ

    じゅうにしの おはなしめいろ

    奥野涼子/作

    じゅうにしの おはなしに とうじょうする どうぶつたちが、めいろを とおって、かみさまの おやしきへ むかいます。

    十二支のお話と迷路を同時に楽しめる絵本! お正月、動物たちが神様のお屋敷へ向かいます。あちこちにお正月の風物詩や隠し絵がある楽しい迷路を通って、さあ、だれがいちばんにお屋敷に着くのかな?

  • おめでとう

    おめでとう

    茂田井武/絵 広松由希子/文

    みんながうれしいことば、「おめでとう」
    うさぎも、ねこも、ぞうも、とらも、ぼくも、わたしも、「おめでとう」。
    贈りあう幸せの言葉を、戦後の童画界を牽引した茂田井武の絵にのせて送る絵本。

  • くまのこの としこし

    くまのこの としこし

    高橋和枝/作

    親子で楽しむ、季節と行事のよみきかせ絵本
    お正月は、どんなふうに来るのかな?
    新しい年を迎えるわくわくする気持ちと、元旦のおごそかな気持ち……。子どもの目で見た「年越し」を描きます。

講談社新人賞 既刊

講談社絵本新人賞 既刊一覧を見る