講談社絵本通信-講談社の絵本情報満載 毎月25日頃更新 twitter講談社BOOK倶楽部絵本が当たる!メルマガ登録はこちら
あたらしい本 最近でた本 今月のおすすめ 本をさがす
絵本新人賞 イベント情報 読み聞かせ 人気シリーズ
立ち読み 遊んでみよう 知育アルバム 連載
今月のおすすめ
「にじいろのさかな」
今月の新刊
ようちえんの おひめさま
ルッキオとフリフリ おおきなスイカ
ようちえんの おひめさま ルッキオとフリフリ おおきなスイカ
オチビサンの ひみつの はらっぱ
ちいさなタグは おおいそがし
オチビサンの ひみつの はらっぱ ちいさなタグは おおいそがし
クジラにあいたいときは
全国訪問おはなし隊 絵本の読みきかせガイドブック DVD付き
クジラにあいたいときは 全国訪問おはなし隊 絵本の読みきかせガイドブック DVD付き
2歳のどれ? クイズ たべもの
3歳のなあに? クイズ たべもの
2歳のどれ? クイズ たべもの 3歳のなあに? クイズ たべもの
じぶんでつくる シールえほん きょうりゅう
恐竜100
じぶんでつくる シールえほん きょうりゅう 恐竜100
 
絵本通信のいちおし
WEB水族館
佐々木さんの生き物どーこだ
田中六大の新米父さん危機一髪
もったいないばあさんの部屋
100万回生きたねこの部屋
にじいろのさかなの部屋
立ち読みコーナーはこちら
読み聞かせランキングはこちら
 

(ほろほろ鳥)6月の編集後記

いま絵本新人賞の選考が佳境を迎えていますが、新人賞に応募されるメリットは、賞を取ることだけではありません。今月刊行した『ルッキオとフリフリ 大きなスイカ』は、選からもれましたが、読んだ者に強いインパクトを与える作品でした。それがご縁となって担当者との長い「熟成期間」を経て満を持しての刊行となりました。ぜひ、本屋さんで手に取って見て頂ければ、このふしぎなインパクトを共有していただけると思います。さて、長らくご愛読いただいている『講談社 絵本通信』ですが、この形での更新は、これが最後。スマホからも見やすく、SNSやツィッターなどとも連動して大幅に、リニューアルします。今よりもっと、こまめに情報発信できるようになります。またリニューアルを記念してプレゼント企画もありますので、ぜひぜひチェックをよろしく御願いします。(ほろほろ鳥)

 
次回は2014年7月31日更新予定です。
 
おすすめラインナップ
FlashPlayerが最新ではありません。

本サイトをご利用頂く為にはFlashPlayer8以上が必要です。
下記のサイトから最新のFlashPlayerをインストールしてください。

最新のFlashPlayerをインストール
●クリックすると、そのページにジャンプします。

講談社子どもの本通信 dandan
おはなし隊
twitter
でんせつのきょだいあんまんをはこべ レビュー大募集
第32回講談社絵本新人賞受賞作『ぼくと おおはしくん』刊行記念 デビュー日記連載中!
生きているのがつらいと思っているきみへのメッセージ

イラスト/高島尚子


今月から、第一線で活躍している絵本作家さん方に、どうやって絵本の道にはいったのか、絵本づくりにかける思いなどをインタビューしていきます。

第1回目のインタビューは、自称「水際族」の自然派アーチスト、村上康成さん。ページ展開、間を生かしたシンプルな画面構成に定評があり、作品からは、絵本づくりそのものを心底楽しんでいることが伝わってきます。絵本作家になったきっかけや、絵本を描くうえで大事にしていることなどをお話いただきました。
絵本作家という仕事 −わたしはこうして絵本作家になりました− 第1回 村上康成
愛用のウクレレは、手作りの特注品。もちろん絵はご自身のデザイン。
Profile
村上康成(むらかみ やすなり)
1955年岐阜県生まれ。創作絵本、ワイルドライフ・アート、オリジナルグッズ、装幀などのグラフィック関連など幅広い分野で独自の世界を展開。『ピンクとスノーじいさん』『ようこそ森へ』(いずれも徳間書店)、『プレゼント』(BL出版)でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、『なつのいけ』(ひかりのくに)で日本絵本大賞受賞。他にも『青いヤドカリ』(徳間書店)、『くじらのバース』(ひさかたチャイルド)、『カッパがついている』(ポプラ社)、『星空キャンプ』『いのちのおはなし』(文/日野原重明 いずれも講談社)、「ピーマン村の絵本たち」シリーズ(童心社)など作品多数。伊豆高原と石垣島にギャラリーがある。

——絵本作家をめざしたきっかけは?

高校時代は、野球三昧。高2の秋までとことんやって、決勝戦サヨナラ負けでけじめつきましたね。もともと絵が好きだったから、高3では美術部に入り、デッサンなんぞもやりました。高校卒業後はその絵を活かせる道へ、という程度で、グラフィックデザイナーになろうと、美大を目指すことにしたんです。

でも、受験は失敗して一浪。名古屋の寺子屋のような小さな絵の研究所に通いました。そこにはおもしろい人間が集まっていて、『はせがわくんきらいや』(初版すばる書房、現復刊ドットコム)の長谷川集平とも、ここで出会っています。ある日、谷内こうたさんの『のらいぬ』(至光社)という絵本の原画展を近くの本屋さんでやっていたので見にいったんです。原画にはさほど興味は湧かなかったんだけど、そこにあった絵本の『のらいぬ』を見て、腰が抜けそうなほどの感動を受けました。おはなしの内容というより、めくって伝える絵本の表現というものに、驚きと新鮮さを感じたんですね。

当時は貧乏学生だったのですが、なけなしのお金を出して『のらいぬ』を買って帰り、3畳一間のアパートで、ひたすら模写。レタリングもして、「あついひ」なんて書いてね。朝までかかりました。答えがみつかったわけじゃないけど、ドキドキはおさまっていて、「絵本やってみようかな」って思っちゃったんですね。人生を変えてしまうような、強烈な出会いでした。

『のらいぬ』
谷内こうた/絵
蔵冨千鶴子/文
至光社
明るい海辺を舞台に、少年とのらいぬのふしぎな出会いを描いた作品。研ぎ澄まされた表現で、読み手を暑い夏の日の物語の世界へいざなう。

講談社フェーマススクールズ

——原画と絵本になったときの見え方の違いは?

原画は、直筆の絵がただそこにある、というだけ。「きれい」「うまく描けてる」だとか、「制作の息遣い」とか、「ここ直してるな」ってくらいの見え方ですよ。でも絵本は、1冊32ページ、40ページ集まってひとつのものになる。絵本の原画1枚は、1/32の力しかないんですね。でも。1冊になるとすごい力を発揮する。そこに気がついたんです。綴じられた紙をめくっていくことで展開するのが絵本の世界。それは映画でもアニメでも漫画でもない、独特の世界だってことに。

心地よい風が通り抜ける、岐阜中津川のアトリエにて。

——32ページのチームワークですね

そう。みんなエースストライカーじゃだめなわけ。それだと画集になるのね。フォワードがあってバックスがあって、いろんなプレイヤーがいてそれぞれが役割をもってゲームを展開していく感じですね。前後の流れの中で自分のページの役割を意識していくというようなことだと思います。

——模写して見えたことは、ほかにありますか?

『のらいぬ』は、絵の配置が最初左なんです。文字が右で。途中灯台がでてくるシーン、ちょうど綴じ糸のある真ん中のページを境に、絵の配置が右になるんですね。左開きの本の場合、めくったときに、視点は普通、右なんです。だから、絵も右じゃないと。でも、登場人物が灯台のどのあたりにいるのかを見せながら、舞台やシーンにそって効果的な演出がされていることに気がつきました。裏技ですよね。気がつかなきゃそれでもいいんだけど、その世界へ読者を引きずり込むしかけがちゃんとあったんです。構図や、絵の流れに文字をどう入れていくかなど、絵本の表現のおもしろさにやられちゃったという感じです。

——ご自身の最初の作品は、どのように生まれましたか?

デビュー作『ピンク、ぺっこん』(初版福武書店、現徳間書店)を出すまでは、かなり苦労しました。絵本作家になろうと決めたのに、何を表現したらいいか、かんたんには出てこない。いくつか絵本を描いて出版社に持ち込みましたが、全然だめで。

『ピンク、ぺっこん』
村上康成/作
徳間書店 
春に生まれたヤマメの子ども、ピンク。川のなかをすーいすい泳げば、ときどき怖い目にもあうけど、ピンクは毎日元気いっぱい! 村上康成のデビュー作。

あるとき、ヤマメやイワナ釣りの話を夢中になってしていたら、編集者に、「ヤマメいいじゃん! そんなにヤマメが好きなら、それで絵本を描けば?」いわれました。え? それでいいの? って思いましたよ。それからも七転八倒の毎日でしたが、やっと誕生したキャラクターが、ヤマメのピンクなんですよ。

——作品作りで目指した方向は?

テーマは、一匹のヤマメの命の輝き。それを通して自然と遊ぶことの楽しさ、こんな世界があるんだよってことを伝えたかった。僕自身が経験した川の空気、風、音、匂いなども含めて、画面で見せていきたかったから、まあ、かんたんじゃないですよ。何度もダミーを作って、めっくて確認して、という作業を繰り返しました。ダミーを作るとテンションがあがるんですよ。そんなことをやりながら、新たな発見もあったりして、苦しみながらも楽しめたところもあります。語りすぎず、能の様式美を思わせる凝縮されたアート作品をめざしました。

デビュー前のダミー! 何度も試行錯誤を重ねている。

——ふだんの創作で、大事にしてることはなんですか?

結局のところ、ボロボロになりながら絵本をつくっていますが、ボロボロになった先に、究極の楽しさがあるんです。絵本をつくることってディレクションしていくことでもあるんですね。自分が中の絵をどう描いていくか、何を描かせるのか、指令をだしていくわけですよ。例えばおたまじゃくしを1000匹描いたら効果的ってときに、そんな面倒なことしたくないって思う気持ちもあって、どっちを選ぶかってことでしょう。作品全体を見通しながら、ここ白でいく? いや赤でしょうって考えてながら。課題を自分に与えることで、新たな自分も見えてきます。この部分が絵本作りの醍醐味でもあります。だから心残りのないよう、とことん考えます。

あと、表現したいことをちゃんと伝えるためには、身の丈ほどの習作を重ねることも大事だと思っています。プロでやっていくなら特にね。そうやってできたものでも、本人の中ではものすごく頑張って作ったつもりでも、あとになってみると反省材料ばかりで、まあ、いつもリベンジって気持ちで次に挑んでいますね。

「釣りをしていて突然絵本のアイデアが浮かんだりしますか?」って質問よくされるんです。でも、釣りをしているときは釣りに集中してるので、仕事のことなんて一切考えません。自然や魚たちと、全身の機能フル回転、毛穴全開で一生懸命遊んでますよ(笑)。でも、その遊びを通して、体にはいろんなものが吸収されているのかもしれません。なにごとも楽しいって思えないと続きませんからね。絵を描くもの同じことです。楽しみながらやるのがいちばんです。

スティールヘッドとの死闘に勝利し、ご満悦のご様子。

楽しみながら描けたものは、きっとだれかに見せたくなるはず。「きた〜!」と思ったときは、まわりのひとに見せて、ワクワクを共有するのもいいかもしれません。絵本って、お勉強じゃないし、とくになにか役に立つから読むってものじゃないでしょう。「あ〜、おもしろかった」ってくらいですよね。でも、勇気とか、自信とか確信みたいなものが、読み手に入って、その人の力にはなると思うんです。もうひとりの自分の目覚めのときもある。ぼくの絵本からも、そんなうごめくなにかをみつけてもらえたらうれしいですね。

─講談社から刊行されている村上さんの作品―
星空キャンプ 『星空キャンプ』
村上康成/作 
講談社
初めてキャンプにきた少女と両親。鳥や、虫や、魚、そして森や、風や、水――自然とのふれあいを通して、たくさんの生命とともに生きている喜びを肌で感じる。

いのちのおはなし 『いのちのおはなし』
日野原重明/文 村上康成/絵
講談社
日野原先生が、10歳の小学生に向けて行っている「いのちの授業」を絵本化。黒板にチョークでいのちに見立てた線をひいていく様子は、臨場感たっぷり!

第13回 スズキコージ
第12回 こみねゆら
第11回 松成真理子
第10回 長谷川義史
第9回 石井聖岳
第8回 たしろちさと
第7回 荒井良二
第6回 武田美穂
第5回 堀川理万子
第4回 三浦太郎
第3回 きたやまようこ
第2回 高畠 純
第1回 村上康成
トップページへページの先頭へ

このページへのリンクについて / 講談社へのお問い合わせ / 講談社のプライバシーポリシー
Mail / おはなし隊