読み聞かせのコツ 第12回 「アントンせんせい」の場合

新連載 おはなし隊の読みきかせ 読み聞かせのコツ

講談社では日本全国、津々浦々に絵本を積んだバスで訪問し、読みきかせする、「全国訪問おはなし隊」という活動をおこなっています。
この連載は、その読みきかせのもようをお知らせしつつ、読みきかせのワンポイントアドバイスをお蔵だしいたします。実物の本を見ながら読んでいただくと、よりよくわかると思います。
ぜひ、身近なところでお話し会をされる方や、保育園、幼稚園、小学校などにいって読みきかせボランティアをされるときなどの参考にしてくださいね。
第12回 「アントンせんせい」の場合


『アントンせんせい』 『アントンせんせい』

◆西村繁男/作


(1)やさしいお医者様『アントンせんせい』のおはなしは、まず、ゆっくりと表紙を見せて始めましょう。さて、どんなおはなしかな?

(2)扉のページを開くと、ちいさな動物病院が。どんな患者さんがやってくるのでしょう?

(3)朝はやく、やってきたのはニワトリさん。「こ、こえがでないんです……。」と先生にうったえます。よく下読みをしておいて、ニワトリさんになったつもりで、しわがれ声で読んでみましょう。

アントンせんせいがつくったうがい薬で、きれいな声をとりもどしたニワトリさん。「コッケコッコ〜。」は、すっきりと声高らかに読みたいですね!

(4)患者さんは続々とやってきます。どうやら様子がおかしい、ワニさん。「アガガ(あごが)、ガガ……(はずれて)」と、今度はワニさんになったつもりで読むと、爆笑がおこります。

(5)ここがポイント。アントンせんせいが診察のあと、患者さんにかける「おだいじに」の言葉は、ゆっくり、優しく読んでください。子どもたちも、このお話しの「繰り返し」に気づいて、「おだいじに」という声が自然にあがります。

(6)次に続く、ヘビやゾウ、スカンクのページです。一気に読んで楽しみましょう。ヘビ、フラミンゴまでは、指で指し示してあげてもいいですね。

(7)「パタ〜ン!」ヤギさんの診察の途中で、たいへん! 先生が倒れてしまいます。おなかがすいていたんですね。

(8)でも、だいじょうぶ。動物たちが美味しいシチューをつくってくれて、めでたし、めでたし。

(9)最後のページ、どうぶつたちのお手紙に書かれた、「おだいじに」をゆっくり読んでしめくくります。

この絵本はカルピス株式会社により、全国の幼稚園や保育園に「2013 ひなまつりプレゼント」として贈呈されました。読み聞かせにぴったりの楽しい1冊です。


バックナンバー
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★ 全国をまわって読み聞かせをしている「おはなし隊」では2014年8月、岩手県と香川県の訪問先を募集中! お申し込みの締め切りは5月12日(月)です。ご興味のある方は以下のアドレスをご参照ください。お早めに!
おはなし隊

おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバンス 「読みきかせ会」を主催されている方、また開いてみたい方必読の情報! おはなし隊が「読みきかせ」の秘訣をお教えいたします。

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