読み聞かせのコツ 第19回 「ぴたっ!」の場合

新連載 おはなし隊の読みきかせ 読み聞かせのコツ

講談社では日本全国、津々浦々に絵本を積んだバスで訪問し、読みきかせする、「全国訪問おはなし隊」という活動をおこなっています。
この連載は、その読みきかせのもようをお知らせしつつ、読みきかせのワンポイントアドバイスをお蔵だしいたします。実物の本を見ながら読んでいただくと、よりよくわかると思います。
ぜひ、身近なところでお話し会をされる方や、保育園、幼稚園、小学校などにいって読みきかせボランティアをされるときなどの参考にしてくださいね。
読み聞かせのコツ 第19回 「ぴたっ!」の場合

おはなし隊隊長 新藤優子


『ぴたっ!』 『ぴたっ!』

◆よねづゆうすけ/作

動物たちが仲良くくっついて、きれいな図形ができあがる、楽しいしかけ絵本。
とりさんととりさんが『ぴたっ!』とくっついて……、さあどんな形になるのかな?
シンプルな穴あきのしかけ絵本ですが、シンプルさゆえに、子どもたちの想像力、発想力も全開に! その豊かさにビックリ! 意外な答えに思わず笑みもこぼれてしまいます。
静岡の保育園で読んでみました。

(1)一枚のとりさんの絵に見える表紙。ゆっくり表紙を開きながら、とりさんの絵が、実は一枚の絵ではなく、穴あきになっているということを理解してもらいます。そして、さあスタート!!

(2)ゆっくり絵を見せながら、『とりさんと とりさんが……』、ページをめくって『ぴたっ!』すると、何も問いかけなくても子どもたちから自発的に「あーっ、ハートだ!」の声。 とりさんととりさんが合わさってハートになる、これだけで、子どもたちはこの絵本がどんなしかけなのかほぼ理解してくれます。

(3)『ねずみさんと ねずみさんが……』と読むと、もう子どもたちから「さんかく〜!!」の声。『ぴたっ!』で、「あー、やっぱり」「あたった〜」と嬉しそうな声。

(4)『かめさんと かめさんが……』では、「まる〜」「メロン〜」「めろんぱん!」。あらら、かわいい答え。もう子どもたちすっかり図形当てに夢中です。

(5)どんどん続けていきます。

今度は、『ぞうさんと ぞうさんが……』。すると、あちこちから「トンネル〜」「すべりだい〜」の声。子どもたちの発想力は本当に豊か!

(6)そして、『うさぎさんと うさぎさんが……』では、「おやま〜」「ぷりん〜」の声に混ざって、「富士山!!」のたくさんの声。さすが静岡!

「台形」という単語は知らなくても、子どもたちは「ぴたっ!」と合わさるとどんな形になるのか、しっかりわかっているようです。

(7)『くまさんと くまさんが……』のページでは、「しかく〜」と同じくらい「定規!」の声!くまさんの手が定規のメモリに見えるみたい。

(8)そして、いよいよ最後のページ。『とうさんねこと かあさんねこが こねこに……』と読むと…、あちこちから「おしろ〜」の声。ねこさんのお耳がおしろの屋根に見えたのね。

(9)そして、最後のハートを見せながら、『み〜んな ぴたっ!』
『ぴたっ!』で、みんななかよくなれたね〜。

実は、この本、幼稚園くらいの子どもたちだけでなく、小学生でも十分楽しめる絵本です。
小学2年生くらいになると、しっかりと図形にこだわって答えてくれます。「台形」「正方形」「長方形」など、バッチリ正解!「算数の授業で使いたいですね!」と、先生からうれしいお言葉もちょうだいした『ぴたっ!』。幅広い年齢層の読み聞かせに使える楽しい1冊です!

バックナンバー
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第3回 『よみきかせ日本昔話 うらしまたろう』の場合
第2回 『よみきかせ日本昔話 わらしべちょうじゃ』の場合
第1回 『よみきかせ日本昔話 いっすんぼうし』の場合

★ 全国をまわって読み聞かせをしている「おはなし隊」では2014年8月、岩手県と香川県の訪問先を募集中! お申し込みの締め切りは5月12日(月)です。ご興味のある方は以下のアドレスをご参照ください。お早めに!
おはなし隊

おはなし隊の読みきかせ ワンポイントアドバンス 「読みきかせ会」を主催されている方、また開いてみたい方必読の情報! おはなし隊が「読みきかせ」の秘訣をお教えいたします。

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