おまけみたいにいつも何かにくっついていて、単独ではなかなか注目されることのない「ん」。でも実はものすご〜くたくさんの顔(意味)をもっている「ん」。
ついに、「ん」が主役の絵本ができました!
密かなブームの『ん』を、宮崎県の子どもたちに読んでみました。
文字数は少なくストーリーのない絵本ですが、「ん」のもつそれぞれの意味を繊細な線で表現したシンプルなイラストも、この絵本の大きな魅力です。
ページ全体が顔になっている楽しい絵をしっかり見せながら、子どもたちが理解しやすいように大きな声でゆっくり読んでみましょう!
最初に、子どもたちがよく知っているしりとり遊びで、みんなの気持ちを惹き付けます。
みんな、しりとり知ってるよね〜。ちょっとやってみようか……。
「リンゴ」「ゴリラ」「ラーメン」。あれ、「ん」で終わっちゃった。最後に「ん」がつくと、しりとりは終わっちゃうよね。
でもね、沖縄の波照間(はてるま)という島に「んぎしたおーりょー」っていう、「ん」ではじまることばがあります。これは、「ようこそ!」っていう意味です。
「ん」で始まることばってめずらしいよね。実はね、「ん」はいろんなところに使われていて、いろんな意味をもっているのよ。今日は、そんな「ん」がたくさん出てくる絵本を読んでみるね。
「ん」たった1文字。
でも、次に続く句読点や文字によって、その読み方や意味が違ってきます。
「ん」に「。」が付くと、「ん。」だけで文章は終わり。だけど、その意味は肯定だったり問いかけだったり、疑問だったり、いろいろ。もつ意味によって、読むイントネーションも変えて読みます。
「、」の場合は広がりをもたせて、「…」は、より余韻を残して読みます。「!」は少し元気な感じを出してみましょう。
「ん」1文字だけに、読み手がよく読み込んで、「ん」のもつ意味を理解してから読むことが大事です!
そして、どのページでも、そこに表現されている「ん」にマッチしたイラストを、ゆっくり見せてあげましょう。
「あーん。」「うーん。」「うふん。」「えーん。」「じーん、」「しーん、」「ぴん、」……。
繊細な線のシンプルなイラストが「ん」のもつ意味をしっかり表現しています。
目と口だけで著されたイラスト、それだけで、子どもたちにも「ん」の意味が十分伝わります。
ゆっくり、でも、しっかり「ん」を声に出して読んでいくうちに、子どもたちもいつの間にか大きな声で一緒に「ん」を繰り返してくれます。
「あかさたな。」「ん。」
「はまやらわ。」「ん。」
「にっぽん」も最後の文字は「ん」。
「にっぽん」の顔は、「日の丸」です。
「しっぽの ん。」
「ごはん」も「ごめん」も、しっぽに「ん」がなきゃ、意味ないことば。
「ん」が必要だということをわかってもらうために、リズムよく、でも、しっかり「間」をとりながら、少し「ん」を強調するように読んでみましょう。
そして、「ごはん」のページはよ〜くみると、湯気の立ったホカホカのしろいご飯が描かれています。 こういった楽しい仕かけにも子どもたちは大喜び!
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